アニマルライツ

犬と共に、家族も学ぶ

元保護犬のポメラニアン「ぽのすけ」は散歩ができない。
散歩経験が少なく、外で聞く物音や話し声などが怖い。
ひとたび不安になると、「帰ろう!」と言わんばかりに家へ向かって逃げようとする。
せき込んでしまうくらい勢いよく引っ張り、余裕がないぽのすけは、飼い主さんと散歩のトレーニングをすることになった。

首輪やハーネス・リードなどを着け慣れていないぽのすけ。
まずは、お家の中で散歩道具を着けて歩く練習からスタート。
恐る恐る歩くけど、、少しでもリードが張ると後ろに踏ん張って歩かなくなる。
無理に頑張らせると更に頑なになる、、今は、ぽのすけを頑張らすときではない。
腰を落として目線を下げ、ぽのすけをやさしく呼びかける。
一歩でも歩いたら、たくさん褒めて大好きなおやつをひと粒あげる。

「こわい」が先行する今のぽのすけには、気遣うハンドリングが必要です。
一歩づつを繰り返し、次に数歩づつの繰り返し。
こうして少しづつを繰り返し続ける飼い主さんには、根気が求められます。

散歩道具を着けて家の中を歩けるようになってきたら、外へ。
次は、家の周りを半周だけ歩きます。
外では「こわい」が増すため、ここでも無理をせずに時間をかけて練習を繰り返します。

ぽのすけの仕草から、こわがっているだけなのか?こわがりながらも関心をもつ余裕があるのか?ぽのすけの気持ちを推し量ろうとする飼い主さんの観察力とハンドリング技術の向上が今回のトレーニングのキーポイントになる。

トレーニングに対して、飼い主さんがとても積極的なことが、このペアの強みです。
トレーニング開始から2ヶ月、ぽのすけの態度に変化がでてきました。
後ろ向きだった姿勢が前向きになり、逃げたい気持ちがにおいを嗅ぎたいと変わりだし、外で積極的に歩く時間がグッと増え始めてきたのです。

ぽのすけを頑張らせるタイミングは今!
ぽのすけが立ち止まったときにやさしく待つだけではなく、リードを引き歩行を促す。
すると、ぽのすけは、少し抵抗するものの踏ん張ることなく歩き出しました。
そんなぽのすけをべた褒めする飼い主さんの声が自然と上がる、そしてぽのすけはどんどん歩き、今まで苦手だったコースも自信をもって歩き、嫌いだった玄関の段差もスムーズ上り下りするようになったいた。

もう大丈夫。

トレーナーがいなくても大丈夫。
だって今は、飼い主さんがぽのすけ専任のドッグトレーナーになっているのだから。

里見 潤

里見 潤

投稿者の記事一覧

(さとみ じゅん)

ドッグコーチ

1975年、横浜市生まれ。2004年、警察犬訓練校に入学、出張トレーニング会社を経て、保護活動団体「Dog shelter」の専属スタッフとして、保護犬のトレーニング、一時預かり家庭と里親家庭の間に入り、アフターフォローを担当する。
2012年7月より独立。出張、及び預託トレーニングを柱に活動する傍ら、保護犬の一時預かりを継続中。
 
日本警察犬協会公認訓練士
ジャパンケネルクラブ公認訓練士
東京都動物愛護推進員

 保護犬預かりを主に、トレーニングのことを書いている里見潤さんのブログ
 「イヌと歩けば。」http://setahachidog.blog.fc2.com

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