基本的なしつけ・コマンドトレーニング・悩み行動改善・アジリティなどのドッグスポーツ、全てのトレーニングに共通している醍醐味は、犬とのキャッチボールではないでしょうか。
ボールとグローブはないけれど、コミュニケーションがとれている人と犬の間には、目に見えないキャッチボールが行われています。
トレーニングは、その犬に合うやり方で続けていけば、自ずとできるようになるものです。
しかし、一見犬が人の指示を聞きできていたとしても、犬に意欲がなくやらされているだけだったり、食べ物やオモチャなどのご褒美がある時だけしかできないペアもいます。
犬の気持ちや状況に関係なく叱ったり、ご褒美に頼り過ぎると、犬は「人に付く」ことを学べず、強制や報酬で動くことを強化することになってしまいます。
「人に付く」とは、犬との間に信頼関係を築くことです。
例えば、
犬が覚えている「呼び戻し」をコマンドで指示した時、知らんぷりしてやらなかったとします。
強制と報酬にたよった場合。
強制 → 有無を言わさずリードを引いて戻す
報酬 → 取り合えずおやつで気を引いて戻す
一方、犬との信頼関係を意識した場合。
まず、人は犬を観察し、行動の理由や意図を考えます。
・なぜ、やらないのか?やりたがらないのか?
・誘惑しているものがあるのか?
・練習量が足りていないのか?
・指示がわからないのか?
そうしながら、犬に寄り添うのか・毅然とリードするのか、犬とコミュニケーションし伝えていくことを大事にします。
訓練競技やアジリティだけでなく、散歩をしている飼い主と犬でも、信頼関係があるペアは、相手を観て、気持ちを考えて、働きかけたり寄り添ったりしているのが伝わってきます。
そこに「コミュニケーション=キャッチボール」が見えてくるのです。
一方的でない関わり方をしている飼い主の犬は、自ずとモチベーションが上がり、意欲的に行動するようになっていきます。
ただ、言うは易し行うは難し。
一緒に暮らす愛犬には、甘えが出てしまうようです。
疲れていたり、気分が落ちている時、犬に対して一貫性が保つのは簡単ではありません。
自分の都合を優先するやりとりになり、愛犬とのキャッチボールが上手くいかないことも多々あります。
でも、うまくいかないことも含めて、ドッグトレーニングはコミュニケーションの醍醐味を味わせてくれるのではないでしょうか。
一方通行じゃない愛犬とのキャッチボールができるようになると、ドッグトレーニングはお互いにより楽しいものとなり、信頼関係も一層深くなる!そう思っています。