ペットフードを選ぶとき、みなさんは、どのように選んでいらっしゃいますか。
フードのタイプ、栄養バランス、価格、ペットの年齢、種類・・・などなど、いろいろな観点でお選びになっていると思います。ここでは、とくにペットフードの種類(目的)、ペットフードのタイプ、ペットのライフステージなどに着目して、解説していきます。
ペットフードの種類(目的) |
みなさんは、ペットフードを買うときに、どの表示をみて選んでいますか。ペットフードの種類をご存知でしょうか。また、「ドライフード=主食」と思い込んではいないでしょうか。
ペットフードは、「ペットフード表示に関する公正競争規約」で使用目的による分類がなされており、その表示が義務づけられています。必ず表示を確認し、目的に合ったフードを選ぶようにしましょう。
ペットフードの目的別の分類は、以下のようになっています。
・総合栄養食・・・生命の維持を目的とされたフード。そのフードと水だけで栄養がまかなえるもの。
・間食・・・おやつ、スナック等。与える量は、一日のカロリー必要量の20%に抑える必要があり、給与限度量の表示が義務づけられている。
・その他の栄養食・・・上記以外で、食べ合わせが必要となるフード。栄養補強、食欲の増進が主な目的となり、缶詰のような“ウェットフード”に多い。
(・療法食は獣医による処方食で、獣医師の指導のもとで利用する。)
ライフステージとフード |
ペットフードの種類が決まったら、現在ペットがどのライフステージ(成長段階)であるかを確認し、ライフステージにあったフードを選択します。
動物は、ライフステージや種によって必要とされる栄養素がちがいます。フードの選択を誤ると、各種栄養素の欠乏症や過剰症に陥るおそれがありますので、注意しましょう。
哺乳期
↓【生後4週齢まで】母乳・代用乳
離乳期
↓【生後8週齢まで】離乳食
成長期
↓【1歳】幼犬・幼猫食
成犬・成猫期
↓成犬成猫食
高齢期
【おおよそ6~8歳から】高齢食
<哺乳期>
哺乳期は、子犬は、母乳で成長します。とくに、生後数日間に出る(動物の種類により異なるが、殆ど1週間以内)初乳には、動物の赤ちゃんの体を守る免疫が含まれているため、必ず飲ませたいものです。その後、お乳の出が悪かったりした場合は、その動物にあった代用乳を飲ませます。
(* 通常生後2ヶ月(8週)は、母犬のもとで育てられるべき時期のため、本来は、多くの方は必要としないはず・・・。)
<離乳期>
離乳期のフードには、フレーク状、粉末状、缶詰とさまざまなタイプがあり、犬により食いつきのタイプが異なります。いくつか試してみて、食いつきの良いものを選びましょう。
(* この時期も、まだ母犬のもとで育てられる時期となっています。)
<成長期>
「幼犬用」「幼猫用」や、「Puppy(パピー)用」と表記される場合もあります。大体はペットショップ・ブリーダーさんから購入の際、今まで食べさせていたあまりをもらったり、購入を勧められるので暫くは同じものを使うとよいでしょう。
この時期は、成犬・成猫期の2倍のエネルギーが必要とされます。
はじめはフードを水でやわらかくして与えます。その後は、徐々に固いものにしていきましょう。
<成犬・成猫期>
総合栄養食を中心に、食欲の無い子には副食やトッピングで食欲を増進してあげます。
また、太ってきた場合は、分量を守っても食欲のある子には野菜のトッピングを増やすなどしてフードの過剰摂取を防いだり、ペットフードを一時的にダイエットフード(※後述)に切り替えるなど工夫をするといいでしょう。
<高齢期>
高齢犬は、エネルギーを多く必要としないため、カロリーを低くし、消化しやすいフードを選ぶ必要があります。何歳から高齢かは、ペットフード会社や、犬種(大型犬か小型犬か)によっても異なります。
最近は、体の機能低下に配慮されたペットフードが多く発売されています。獣医さんで検診を受け、お勧めの高齢食を聞いたり、体のどの機能が低下しているのかを聞いたりして、それにあった高齢食を選ぶとよいでしょう。
その他
<泌乳・妊娠期用>
妊娠期は胎児に栄養を供給しなければいけばならず、泌乳期はミルクの生成をしなくてはいけません。そのため多くのエネルギーを必要とします。
<回復期・治療期>
回復や治療・予防を目的とします。一般店では取り扱いされず、獣医師の指導により販売されています。
フードを切り替えるときは |
フードを新しい物に切りかえたいときは約1週間かけて徐々に新しいものに切り替えます。
1日目 現在のフード:新しいフード=9:1
2日目 現在のフード:新しいフード=8:2
3日目 現在のフード:新しいフード=7:3
・・・・・
というように徐々に新しいフードの割合を増やし、最終的に新しいフードに切り替えます。
注意:動物の種類によっても必要な栄養素は異なります。まれに、猫を飼っている方が犬を飼い始めたときに、ライフステージはあっているのですが、犬に猫用のペットフードを与えている方がいます・・・。
ペットフードのタイプのちがい |
ペットフードのタイプは、フード中の水分含有量のちがいにより分類されます。近年では、ペットブームが進み、各ペットフード会社により様々なタイプの商品が販売されているため明確な分類は難しくなってきました。代表するものは下記の分類です。
水分含有量のちがいは、目的(総合栄養食か間食、食欲増進等)や、保存のしやすさによります。総合栄養食の場合、保存のしやすさ、手軽さ、値段が主に重視されるため、ほとんどがドライフードと言ってよいでしょう。
・ドライフード・・・製品水分10%程度以下のフード
水分含有量が13%以上では、カビが生えたりするので12%以下に保つ必要があります。安全性を配慮して、水分含有量10%以下の表示をしているフードが主流です。
・セミモイストフード・・・製品水分25~35%程度のフード
発泡していないフードで、品質保持のために砂糖や防カビ剤等の添加物を使用。水分保持のために湿潤調整剤を使用します。
・ソフトドライフード・・・製品水分25~35%程度以下のフード
発泡しているフードで、品質保持のために酸や防カビ剤等の添加物を使用。水分保持のために湿潤調整剤を使用します。
・ウェットフード・・・製品水分10%程度以下のフード
品質保持のために殺菌工程を経て、密封容器に充填します。密封容器には、缶詰、アルミトレーやレトルトパウチ等が使用されます。
※参考リンク:
ペットフード公正取引協議会:http://www.pffta.org/index.html
ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則
一般社団法人ペットフード協会:http://www.petfood.or.jp/
また、ペットフードに関連する新しい法律として、平成21年5月1日より「愛がん動物用飼料の安全性確保に関する法律(ペットフード安全法)」が施行されています。
愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(通称ペットフード安全法)