人と動物が共生する社会のために
第3回 ペットをめぐり社会に発生している問題
~飼い主さん一人一人の意識ある行動を
~飼い主さん一人一人の意識ある行動を
ペットは家族の一員として、また共に生きる大切なパートナーとして、家庭で暮らす頭数がここ数年増えてきています。一方で、ペットに関する問題やトラブルも多く発生しています。
現在どんな問題が多く発生しているのか?
また、解決する為にはどうすればいいのでしょうか。
平成22年に内閣府が実施した「動物愛護に関する世論調査」で、他人がペットを飼うことについて、どのようなことに迷惑を感じるか?という問いに対して、
「散歩している犬のふんの放置など飼い主のマナーが悪い」が55.9%と最も多く
「猫がやって来てふん尿をしていく」 37.8%
「鳴き声がうるさい」 31.7%
「犬の放し飼い」 28.8%
などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
前回(平成15年)の調査結果と比較すると
「散歩している犬のふんの放置など飼い主のマナーが悪い」 60.3%→55.9%
「猫がやって来てふん尿をしていく」 42.6%→37.8%
「鳴き声がうるさい」 35.1%→31.7%
を挙げた者の割合が低下しています。
都市規模別に見ると「散歩している犬のふんの放置など飼い主のマナーが悪い」の割合は大都市・中都市で高く、小都市では「鳴き声がうるさい」の割合が高くなっています。
【トラブルに発展する事例】
犬の鳴き声や騒音(足音など)
早朝や夜中、飼い主の留守中、訪問者・ほかの犬に対して吠えている。
春や秋など、陽気がよくなり窓を開けている時期に多くなる傾向があります。
排泄について
道路や公園に排泄した便がそのまま放置されていたり、家の門や壁へ犬の排尿を繰り返す、放し飼いにされた猫による排尿・排泄。
抜け毛や悪臭
屋外や集合住宅のベランダなどで犬のブラッシングをしていて飛散する抜け毛や、集合住宅の共用部分(エレベーター・通路・階段・エントランスなど)での悪臭。
放し飼いによる事故
犬が飛びついて転んだり、他の犬や人を咬んで怪我をさせる。
限度を超えた多頭飼う
適正な飼育ができず発生する騒音や悪臭、不衛生な環境。
同「動物愛護に関する世論調査」で、飼えなくなったペットの処理という項目もありました。
一般的に飼っている犬や猫が、いろいろな事情で飼えなくなった場合、どうするのがよいと思うかという問いに対して、
「新たな飼い主をさがす」の割合が65.9%と最も高く
「動物愛護団体に引き取ってもらう」 52.0%
「保健所や動物管理センターに引き取ってもらう」 30.3%
などの順となっています。(複数回答,上位3項目)
※新しい飼い主を探すために譲渡会を開く動物管理センター(保健所も含む)もありますが、新しい家族に出会えず不幸な最後となる犬・猫たちがほとんどです。
捨て犬・捨て猫や引き取り依頼は、飼い主側の都合によるものがほとんどです。安易に飼い始めたり、ペット飼育できない集合住宅への転居、飼い主が高齢になり世話ができなくなった、子供が生まれ世話ができない、避妊をしておらず子犬・子猫が生まれた、ペットが高齢になったり病気になったなど。
里親探しのポータルサイトに書かれている譲渡理由にも多くある内容ですが、すべてが飼い主の勝手な都合です。
これらの問題の原因は、ほとんどの場合、飼い主にあります。
マナーを守る。
犬や猫の行動や生態を知る。
しつけをする。
健康管理や定期的な検診、予防を行う。
避妊・去勢手術を受ける。
これらのことを飼い主さん一人一人が意識し、守っていけば、多くの問題・トラブルは減らしていくことができます。
これからますますペットと一緒に暮らす家庭が増えていくと考えらています。だからこそ、一人一人の意識と行動が大切になってくるのです。
参照資料:内閣府「動物愛護に関する世論調査」平成22年9月調査
http://www8.cao.go.jp/survey/h22/h22-doubutu/index.html
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GORON 吉川奈美紀
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