進由紀

馬の抜け毛

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は馬の抜け毛についてです。

馬にも犬と同じように換毛期があって、春と秋に毛が大量に抜けてそれぞれの季節に合わせた毛に生え変わります。

夏には短い毛となり、冬は長い毛になってもこもこになります。馬の抜け毛が増え始めると、春が来たなとか、秋だななど季節を感じます。

馬の毛は成長期、退行期、休止期という3つの段階を経て周期変化します。
成長期には馬の毛は成長します。
退行期は毛包を休ませる事ができ、休止期は毛が抜け落ち、次の被毛のための新しい成長を刺激する時期です。

換毛のきっかけとして、暖かくなってきた、とか夜間が寒くなってきた、など気温が関係している様に感じますが、実際には気温ではなく、日照時間が影響しています。馬が日光にさらされる時間が短くなると馬の毛は冬毛になる準備が始まります。そのため、冬でも毛を伸ばしたくない場合などに、厩舎の照明を夜間長くつけておいたりして、冬毛を防ぐ事があります。

冬毛が悪い事はないのですが、運動されている馬の場合、運動で汗を大量にかいてしまって、その後急激に馬体を冷やしてしまうなどのリスクがあるため、一般的には毛が伸びないようにしたり、毛刈りをしたりして対応します。

馬の抜け毛を適切に促して、きれいな被毛を保つためには

  • こまめなブラッシング

古い毛の脱毛を促して、新しい毛が生えてくる様にします。換毛期のブラッシングが足りないと皮膚炎になってしまう事があります。

  • 日光に当てる時間を増やす

できるだけ日光浴の時間を長くします。難しい場合は厩舎の照明をつけておく時間を増やします。日光に当たる事で、毛を生え替わらせるスイッチが入ります。

  • 洗馬

寒くない時であれば温水で流しながらブラッシングして洗ってあげると、とてもきれいになります。

  • 馬着の管理

季節に応じて適切に馬着を着せて管理する事も有効です。

今は冬毛が抜けて夏毛に生え変わる時期です。なかなか毛が抜けないと感じる時は寄生虫やクッシング症候群の兆候でもあるので注意しましょう。

ブラッシングを頑張ってつやつやピカピカな夏毛目指しましょう♪

進 由紀

進 由紀

投稿者の記事一覧

(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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