2022年になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさん、お正月はゆっくり過ごされましたでしょうか?
お正月といえば、お餅を間違って飲み込んで喉に詰まらせてしまう事故の話を耳にします。
今回は、そのお餅のように動物たちが飲み込んでしまったら大変な「異物」のお話です。
犬の場合
犬は、とにかくなんでも食べたがりますよね。
食べ物ではないものを食べてしまう子もいるくらい、食いしん坊、食べることが大好きな犬たち。
動物病院に連れて来られる犬が飲み込んでいる異物には、
手袋・ビニール袋・おもちゃ・焼き鳥の串・アイスの棒・カミソリの刃などがあるそうです。
きっと「えー!そんなものまで!」って驚く方もいらっしゃいますよね。
異物を飲み込んむ事態も大変なことですが、もっとも恐いのは、異物が胃や腸で詰まってしまうことです。
《異物が詰まった時の症状》
嘔吐(水を飲んでも吐いてしまう)をして、見るからに元気がなくなります。
胃や腸に異物が詰まった時のは、まず『バリウム造影検査』を行い診断します。
バリウム検査は、定期健康診断で行ったことがある飼い主さんも多いかと思います。
バリウムを体内に入れて、レントゲンを撮ります。
バリウムはレントゲンに白く写るので、バリウムがどこを流れているかがわかります。
例えば、バリウムを体内に入れてから数時間経っても「胃から先に流れていない」「腸から先に流れていない」などの場合、その箇所で異物が詰まっている可能性が高くなります。
さらに数時間経っても流れていない場合『開腹手術』で異物を取り出すことが必要になります。
《開腹手術とは》
レントゲンで異物のある場所を確認して、開腹し胃や腸を切って異物を摘出します。
手術で無事異物を取り出すことができても、すぐ退院することはできません。
5日前後の入院が必要となり、食事も流動食のみになります。
胃や腸を切って縫合しているので固形のものを食べさせることができないからです。
動物医療の進歩で、高性能の内視鏡によって開腹せずに異物を取り出すことも可能になりました。
ただ、異物の大きさや形、詰まっている場所によっては内視鏡を使えない場合があります。
猫の場合
猫は、犬よりは異物を飲み込むことがありません。
しかし、毛づくろいのために毛を飲み込んで毛玉が胃のなかに溜まってしまうこと(毛球症)があります。
猫は、溜まった毛玉を吐き出すことができるので、それほど心配しなくて大丈夫です。
もし手術となったら、麻酔も使用しなければなりません。
動物たちの心身にストレスと負担が大きくなることは必須です。
異物を口にさせないように注意することと合わせ、動物たちの小さな異変に気づけるようにしていきましょう。