東京オリンピック目前、世界中の名馬たちが活躍するのが楽しみですね。東京の夏は馬たちにとって少し過酷かも?暑さに弱い動物だからです。
馬は、日本人にとって身近ではないけれど、それなりに親しみの持てる存在、皆さんは馬の事をどれ位ご存じでしょうか?
乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話、今回は改めて馬がどんな動物かお話したいと思います。
馬のご飯
ご存じの通り、馬は草食動物です。人に飼われている馬は一日に3回から4回に分けてご飯を食べます。
主食は牧草を乾燥させた乾草。イネ科のチモシーやマメ科のルーサンという乾草を組み合わせて食べます。
マメ科の方が馬は好みますが、あげすぎると疝痛の要因になりやすいので注意が必要です。
馬が、放牧など好きに動く程度の運動しかしていないのであれば、ご飯は乾草だけでも十分です。
人を乗せたりして運動をしている馬の場合はエネルギー補給として濃厚飼料と呼ばれる飼料を加えます。
麦やトウモロコシ、それらが配合されたペレット状の飼料もあります。
全て合わせて10キロ程度の飼料を摂取します。
馬の腸は約22mあります。とても長く、180度に曲がっている部分が2か所あるので、そこに消化物が詰まってしまうと疝痛という腹痛を引き起こします。
ですから常に少しずつ青草を食べ、腸を常に動かしておく事で、つまりが起きづらい様にするのが理想ですが、人とお仕事をしている馬はそういう訳にもいきません。
乾草や濃厚飼料は短い時間で素早く栄養を補給できる飼料となっています。
ご飯以外の時間にも、少しずつつまめる乾草などが常に厩舎に入れておけると馬にとっては負担の少ない食べ方だと思います。
因みに水は季節や飼料の内容にもよりますが、一日に約20リットル飲みます。常に清潔な水を飲めるようにしてあげます。
もちろん人参も大好きです。馬は甘いものが基本的に好きなので、リンゴやバナナなどのフルーツやご褒美に角砂糖などをあげたりもします。人間と一緒で食べすぎには注意です。
馬の睡眠時間
馬は一日に3時間程度しか眠りません。
それも熟睡している時間は数十分、しかも細切れです。
草食動物である馬は、外敵に対していつでも逃げられるように立ったまま眠る事もできます。
よく人の前では寝ないなどと言われますが、「ここは安全」とわかっている場合は人の前でも横になって寝ます。
人と同じ様にいびきをかいたり、夢を見る事もある様です。たまに寝ながら鳴いたりする事があります。
それ以外の時間は、食べたり、遊んだり、仕事をしたりします。
放牧など、草のある所に自由にしてあげている場合、約18時間位は食べる事に費やします。
馬に乗っている時や、馬を引いている時に、道草を食われてしまうという悩みを相談される事がありますが、本来18時間は食べていたい動物なので、草を食べたいというのは本能なのです。
そういう動物です。もちろん、馬とのコミュニケーションがしっかりとれていれば、「今は我慢してね」と馬に我慢を教える事ができますよ。
次は、「馬の体温」「馬の年齢平均寿命」「馬の視野」についてです。