ペットのためのホリスティックケア
第2回 ペットと一緒にごはんを楽しもう
ごはんは身体を作るだけのものではなく、ペットとのコミュニケーションツールとしても大変有効です。そのきっかけの一つとして、今回は手作り食についてご紹介します。
手作り食の魅力は、まず、入っている中身をすべて把握できることでしょう。市販のいわゆるペットフードは、栄養価が計算され手軽にあげることができる便利なものですが、保存期間が長くなるため添加物が必要になります。手作り食はその都度調理するか保存しても短期間のため、それらの添加物は必要ありません。手間を掛けても、あげているものに自信を持てる安心感が大きく、さらに手間の掛かることが愛情の表れとも言えます。また、それぞれのペットに合わせた食材、調理法を用いることで、オーダーメイドのごはんができます。
近頃は本やインターネットでもペットのごはんについて様々なレシピが紹介されており、味をつければ飼い主さんのごはんも一緒に作れるなど、楽しめる工夫がなされています。ペットの誕生日にごはんやケーキを手作りする方も多いようです。
手作り食はざっくりとこのようなタイプに分かれます。
○市販のフードにトッピングしたもの
○自然治癒力を高めるための日々のごはん
○病気やケガをケアするためのごはん
○お祝いや記念日など特別な日のごちそう
一からすべて作られたものだけが手作り食ではありません。普段のごはんに何か一品足してアレンジしてあげるだけでもよいでしょう。更にお腹がゆるい、食欲がないなどその時々の不調に合わせて一時的に取り入れることもできるので、あまり気構えずに試すことができます。それでごはんを美味しく楽しく食べてくれたら、その姿を見ているだけでも嬉しくなってしまいますね。
ごはんを手づくりするときの基本の割合は
犬 / 穀類:肉類:野菜類=3:4:3
猫 / 穀類:肉類:野菜類=1:7:2
と言われます。しかしこの割合は提唱する人によって異なるものです。それに、手作り食が難しいと感じる人の多くは、必要な栄養素をきちんと補ってあげられるかを心配するようですが、「毎日毎回必ずこの割合を守らなければいけない」という厳密なものでもありません。人間だってすべての栄養素を毎回過不足なく摂るのは至難の業ですよね。みなさんが「今日は食べすぎたな」「最近野菜が少ないかも」と思って調整するように、1週間程度でバランスを取ることを目安にしましょう。
「猫は1歳頃までに味覚が完成される」と言われます。
大人になってから食べたことのないものを見ると戸惑いやすいので、いきなりきちんとしたごはんを作ってあげても全然手を付けてくれないなんてことも…。ですから最初は猫が食べやすいもの、例えば魚のアラから取ったスープやしっかりと塩抜きしたしらすなどを、普段のごはんにトッピングしてあげるのがオススメです。
手作り食、市販のフードに関わらず、犬も猫も水分量を積極的に多くしてあげましょう。
結石にならないために、さらに体内の毒素や老廃物を出すためにも水は重要な役割を担っています。ドライフードのあげ方にも「新鮮な水をいつでも飲めるように」と書いてありますね。
特に猫はもともとあまり水を飲まないので、尿路結石などのFLUTD(猫下部尿路疾患)になりやすく、その予防のためにも水を飲むことが大切です。
普段ドライフードのみを与えている猫に対しては、手作り食にして食べ物から水分を摂ることはとても意味のあることなのです。
ごはんの量や内容には種差や個体差が当然あります。最初から細かい計算に頭を悩ますよりも、与えてはいけない食材に気を付け、食べた後のペットの様子や体調をじっくりよく見て、アレルギーが起きていないか、量や割合は適切かなどを判断しましょう。
そこからその子に合わせた食事を考えてあげてください。毛づやや体格・ウンチの状態など、目安はいくつもありますが、「とりあえずあげてみる」ということであれば、「美味しそうに食べている」ことを最重視してもいいと思います。
新鮮な食材から食物が持つ自然の栄養を摂らせてあげましょう。
ペットが食べて楽しく、飼い主さんが作って楽しいこと。手作り食で一番大切なことは楽しむことです。
〈参考〉与えてはいけない・注意すべき食材の一例 (個体差があります)
・カカオ(チョコレートなど)→心臓に負担をかける。
・ネギ類→溶血作用がある。少量なら可。
・甲殻類→消化しづらい。
・生の卵白→ビタミンB7が欠乏する。少量か加熱したものなら可。
・牛乳→下痢をしやすい。水で薄めたり、ペット用なら可。
・味の濃いもの→塩分、糖分などの過剰摂取になりやすい。
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GORON 編集部
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