犬がごほうびをもらうときの、うれしそうな顔。
猫がチュールに夢中になっている姿。
動物と暮らしていると、「おやつの時間」はただの栄養補給以上に、癒しと絆の瞬間だったりしますよね。
では、馬にも“おやつ文化”があるのでしょうか?
答えはもちろん、あります。
どんなおやつが人気なのか、どんな時にあげるのか、ご紹介したいとおもいます。

■ 馬のおやつといえば、にんじん?りんご?
まず王道なのは、にんじんとりんご。
多くの乗馬クラブでは、騎乗後に「ありがとう」の気持ちを込めて、スティック状に切ったにんじんをあげる文化があります。
ただし、りんごや果物は与えすぎに注意!
消化に負担がかかることもあり、お腹をこわす子もいます。
βカロテン豊富なにんじんをあげすぎると、鼻先がオレンジがかることも(通称“オレンジ馬”)。
見た目にかわいいけれど、栄養バランスと量の加減はとても大切なんです。
■ 実は、味の好みは千差万別
「みんなにんじん大好き」…ってわけではないんです。
りんごが苦手な子もいれば、バナナしか食べない子も。
なかには、バナナを皮ごと食べて、あとから“皮だけペッ”と出す“グルメ派”もいます。
それだけじゃありません。
おやつを一回奥歯で噛んでから「違う」と判断してペッと出す子、
香りが気に入らないと鼻先でふんっと払いのける子など、反応は十馬十色。
おやつタイムは、その子の性格や嗜好がにじみ出る時間でもあります。
■ 市販のおやつも進化してる
最近は市販の馬用おやつも種類豊富。
- りんご味・ミント味・バナナ味のクッキータイプ
- グレインフリー(穀物不使用)タイプ
- シニアホース用のソフトタイプ
- ミントやユーカリ風味など、スーッとした香りが好きな子も!
しかも、海外製のおやつには成分の表示もしっかりされていて、「糖質制限ホーストリーツ」なんてワードも登場するほど。
ただし、クッキータイプは砕けやすく粉になりやすいため、 馬が吸い込んでむせたり、手がベタベタになる事故(!?)もあるので、ジップロックやタッパー必須です。
■ おやつが“逆効果”になることも?
おやつ=愛情の証…と思いきや、あげすぎやルールのない与え方はトラブルのもとになることもあります。
- ポケットに顔を突っ込むようになる
- 噛みグセやねだりグセがつく
- 「おやつがないと動かない馬」に…
馬好きさんの間では、「ポケットサーチ系男子(=おねだり馬)」という愛ある呼び名もあるとかないとか(笑)
犬や猫と同じように“いつ・どのように・どのくらい”をきちんと決めてあげるのが、人馬の信頼関係を保つコツなんです。
■ 健康面での注意も
おやつをあげられない馬もいます。
- 肥満傾向がある子
- 糖分制限が必要な体質(蹄葉炎など)
- 消化器系に不安がある馬
また、おやつを人の手からもらうこと自体がストレスになる馬もいるため、
「この子にあげてもいい?」の確認は、思いやりの第一歩です。
■ おやつだけじゃない!“なめる”お楽しみもある
最近では、馬専用の“ガム”のようなアイテム=リッキーブロックも人気。
塩分やミネラルを含むブロック状のおやつで、なめたり噛んだりしてストレス解消に役立ちます。
犬のデンタルガムや、猫のマタタビおもちゃのような感覚で、
「ちょっと退屈しのぎになるもの」を置いている馬房もあるんです。
おやつの時間は、馬にとっても、私たちにとっても、ただの“食べる”以上の意味がある時間。
もぐもぐしてる顔がかわいくて、 あげた手にそっと口を寄せてくれて、 「今日もありがとう」って心が近づく感じがする。
でもその時間を、もっと安全で、もっと心地よいものにするためには、 ちょっとした知識と観察力、そして愛が必要なんですね。






























