犬を初めて飼うIさん家族は、ヨークシャーテリアのカイのしつけに悩んでいた。
散歩で歩かない。
立ち止まり足を踏ん張り震えていると、つい抱っこ。
そして、いつの間にかこれが習慣になり、カイが歩くのはワンブロックだけ。
小型犬に見られがちな悩み。
その改善のため、カイと家族とのトレーニングが始まりました。
カイが散歩する様子を観ると、外が怖くて歩けないのではないことが分かった。
家族にとってカイは、孫のような存在で可愛くてしかたがない。
ヨークシャーテリアとしても小さい身体であるカイだから、ちょっとしたことで心配になってしまう気持ちも理解できる。
歩かなければママが抱っこしてくれることを覚えたカイ。
このトレーニングの課題は『家族の考え方を変える』ことでした。
カイが歩かなくても抱っこせず、うながし歩かせる。
ただそれだけのことが、案外難しい。
座り込んでしまうカイに合わせて立ち止まってしまうママ。
座り込んで潤んだ目で見上げられても応えず、うながし歩かせることが必要だ。
ここが、このトレーニングのターニングポイントになる。
私は、ママをサポートしながら一緒に頑張った。
うながして歩かせては立ち止まり、またうながして歩かせる・・
根気よく繰り返すうちに、頑として動こうとしなかったカイが楽しそうに活き活きと歩き続けるようになった。
以前は
「寒いから、散歩しなくていいわね」
「雨が降ったと思えば、散歩しなくていいわね」
と言い訳を作っていたママ。
ワンブロックで終わっていた散歩は、今1時間コースになりました。
「カイは、いい子になったねぇ」とママは言う。
確かにそうだけど、それはママが頑張ったからこそ。
そして、今はまだできるようになったばかり。
『続けること』
それが次のママの宿題だよ。