乗馬インストラクターがお話する馬のお話。
今回は、スポーツの秋に乗馬のススメ「馬が与えてくれるもの」です。
長い間、馬は人と共に暮らし働いてきました。
人にとって馬は色々な側面を持ってきた歴史がありますが、現代では趣味で馬と過ごす時間を楽しむ人が大半ですね。
またホースセラピーの効果も高いと言われています。
最近の研究では、動物との限られた接触でも血圧、心拍数、ストレスホルモンが低下することがわかっています。
特別にセラピーを意識せずとも、馬と接することで私たちの生活の質に非常に多くのものを与えてくれていると思います。
馬があたえてくれるもの – 1「運動」
乗馬は体のあらゆる部分を使うので、体の感覚、バランス、協調性を養う事が出来ます。
鞍に深く座れるよう、強い体幹が必要です。馬と一緒に動けるよう、背中と膝を柔軟に保たなければいけません。
馬を驚かせないように緊張感と集中力を持って馬上でのバランスを保ちます。
乗馬は、高齢になっても競技で優秀な成績を収めることができる数少ないスポーツの一つです。
馬があたえてくれるもの – 2「自信」
馬と接する時、乗っている時は自分がリーダーになれるように努力します。
馬のリーダーになると、何でも達成できるような気分になります。
新しいスキルを学んだり馬とタスクを達成する度に自信が深まります。
大小さまざまな目標を設定して達成すること、恐怖や自信喪失を乗り越えること、問題や間違いに正面から取り組むことを学ぶ事が出来ます。
馬があたえてくれるもの – 3「他の存在を気遣う心」
自分以外の生き物の世話に集中すると、自分自身の事は後回しになりますね。
家でペットを飼っている方は自分が高熱で寝込みたくても、ペットのご飯を用意したり散歩に出かけたりすると思います。
馬も同じです。自分の喉が渇いていても、先に馬に水を飲ませる事ができるようになります。
馬があたえてくれるもの – 4「仲間」
馬は、自分が接したようにしか接してくれません。
自分自身と向き合うきっかけをくれる静かな友達です。
また、馬を通じて馬好きな人間の友人ができることも乗馬の楽しみの一つですね。
馬談義に花を咲かせたり、馬イベントや馬旅に出かけたりなど、世界が広がります。
馬があたえてくれるもの – 5「メンタルスキルと問題解決能力」
生涯学習は記憶力の低下を防ぐ可能性があることが研究でわかっています。
乗馬は基本的な馬の知識を学んだり、競技の経路を覚えたり、記憶を鋭敏に保つスキルが養われます。
どんなに経験豊富なライダーであっても常に何か新しいことを学び続けています。
筋肉や関節が運動を必要とするのと同じように、脳も鋭敏さや注意力を保つために運動を必要とします。
乗馬は脳も活性化します。よくある前回のレッスンではうまくいったのに、今はうまくいかないこと。
前回と今回の違いは?他のやり方は?自分の引き出しに何が入っていたかフル回転で考えます。それも馬上で動きながらその瞬間に。
結構な脳トレになります。
馬があたえてくれるもの – 6「自然の中で生きている実感」
外に出て、自然の光景や音をただ感じることは、私たちの心身の健康に素晴らしい効果をもたらします。
乗馬は基本的に屋外で行う(稀に屋内馬場のみの施設もありますが)ので、暑さ、寒さ、雨風など過酷な面もあります。
でもその中で馬と一緒に季節の移ろいを肌で感じたりできる事は、とても良いものです。
秋は、乗馬を始めるにはとても良い季節です!馬上で感じる秋の風は最高ですよ。