アニマルライツ

2020年動物愛護法改正を基に非獣医の帝王切開手術を考える「帝王切開手術は獣医師のみが行えると法律に明記」

「今でも、獣医師以外が動物の帝王切開手術を行っている?」
このことを聞いたとき、驚き、大きな不安と恐怖を感じました。

8月、動物の適正飼養管理方法等に関する検討会により「適正飼養管理の基準の具体化」について発表されました。
そこには、帝王切開手術についても盛り込まれています。

今回の世界の動物事情は、動物愛護について、動物虐待や違法行為などに関する「獣医法医学」を修了した認定法医学獣医師であり、アメリカ在住の現役臨床獣医師、シェルターメディシンでもある西山ゆう子さんから、
・非獣医師が行う帝王切開手術の問題点
・非公開ルートからの手術器具・麻酔薬入手の発生
・アメリカにおける医療薬品・器具の不正入手予防対策
をおうかがいしました。
これをもとに、それぞれで今後の課題を考えていけますように。

GORON 吉川奈美紀


西山ゆう子さんの情報サイトより(2020年11月14日)
https://yukonishiyama.com/caesarean-nonveterinarian-law/

数値基準がまとまりました

動愛法の「数値基準」の制定も、いよいよ終盤になりました。
動物の適正な飼養管理方法に関する検討会が、最終的に方針をまとめ、つい先日「適正な飼養管理の基準の具体化について」を発表しました。
【 環境省:動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会 [ 動物の愛護と適切な管理 ] 】
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/tekisei.html

詳細は、メデイアやSNSなどで、とりあげられているので、ここでは割愛します。
個人的には、ここまで思い切った、具体的な数値を出したことを、大きく評価したいと思います。
もちろん、動物愛護活動家、動物繁殖業の方、一般市民、そして今後、法を実際に実用化する地方自治体の方、すべての人に満足のいく法改正、数値基準というのは、簡単に達成できません。
それゆえ、もう少しこうしてほしかたった、これも入れてほしかった、これでもまだまだ不十分だ、という感想を持つ方もいるかもしれません。
しかし、大きな第一歩であることは間違いありません。
小泉環境大臣や牧原衆議院議員をはじめとする、大変な努力をされてまとめてくださった各関係議員、また積極的な発言をして、世間に重要性を喚起された浅田美代子さんや杉本彩さん他の、動物愛護活動の方および諸団体、また太田匡彦記者のようなメデイア関係者らが、一同にまとまって努力をし、団結した結果であると感じています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

繁殖回数と帝王切開手術の回数

今回の数値規制では、犬の生涯出産回数は6回までとなりました。
悲願であった、帝王切開の回数に関しては、今回は見送られることになりました。
犬、猫が生涯、帝王切開による出産は何回までならよい、という制限は入りませんでした。
「適正な飼養管理の基準の具体化について」によると、今後は以下のようになります。
帝王切開を行う場合にあっては、獣医師に行わせるとともに、実施した獣医師による出生証明書と母体の状態に関する診断書(次回の繁殖 に対する指導・助言)の交付を受けることを義務付ける。
すなわち、帝王切開手術は、必ず獣医師が行わなくてはならなくなる、ということ。
ということは、獣医師以外が、今まで行っていた、あるいは、行っていた人がいる、ということでしょうか?

「非獣医師が行う帝王切開手術の問題点」

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

投稿者の記事一覧

(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

関連記事

  1. ドイツのペット事情 第4回.ペットの保護活動(ティアハイム)、ペ…
  2. 保護した子犬、ペットショップの仔犬 「幼犬期の環境」
  3. 動物を手助けする6つの方法
  4. ドイツのペット事情 第1回.生活・しつけ学校・外出編
  5. イヌに教え、教えられ 第4回「叱る」ことが必要であり、「叱る」に…
  6. ちょっと変わった猫カフェ「里親募集型 いぬねこカフェ るうあ」:…
  7. 災害時のペットとの避難を考える ~アメリカの事例:ペット同行避難…
  8. 犬や猫の出産と帝王切開を考える 「帝王切開とは?」