まだ暑い日はありますが、空が高くなり、朝晩は涼しい風が吹いたりと少しづつ秋の気配を感じられる様になってきました。
ここ最近のワンコ薬膳で何度も言っておりますが、今年の夏は本当に暑くて長かったです。
暑すぎたせいなのか、「暑いから疲れるねー」という感覚が常態化してしまい、自覚があまり無い夏バテになっている人・ワンコが多い様に感じます。
体がパワー不足のまま秋冬に突入すると、乾燥による皮膚や呼吸器、お腹などが不調になる事があります。
今回は、酷暑で消費した体のケアをして、元気に秋の行楽を楽しむためのお話をさせて頂きます。

「やっと夏が終わるね!秋はいっぱい遊びたいな」
酷暑で起こる「陰虚(いんきょ)」+「気虚(ききょ)」
東洋医学では暑さなどで体温が上がりすぎたり、のぼせたりしないように「陰」のパワーを使って体を冷やしたり、頭の方に昇った熱を下ろしたり、体を潤わせたりしていると言われています。
夏は特にこの「陰」のパワーを消費します。
ワンコ薬膳へのご相談や漢方医さん・鍼灸師さんとお話して感じたのは、長く続いた酷暑の影響なのか、今年この陰をかなり消費していてパワー不足になっているワンコと人が多いようです。
加えて、生きるために必要なエネルギーである「気」も酷暑を乗り切る為に消費され、いわば車のガソリンタンクが空になっているような状態の場合もあります。
通常であれば、旬の食材を積極的に食べたり、しっかりと休む事で「陰」も「気」も日常生活でエネルギー補給が出来ていたのですが、今年の夏はみんな日々のケアがなかなか追いつかない状態になっています。
「紫外線のせいかな、皮膚や被毛(人間は髪の毛)がパサついている気がする」
「お腹の調子が悪いかも?」
「ワンコも私もあまり眠れてないかも」
このように小さい身体から不調のサインが出ているかもしれません。
不調は小さな内なら回復も早いので「たいした事ない」と放っておかずにササッと養生してあげてくださいね。

「小さい不調も重なると大きくなるよ。早めにケアしてね。」
陰虚?気虚?夏の終わりの体調チェック!
ワンコだけでなく、他のペットさんや飼い主さん家族も出来ますので、是非ご一緒にチェックしてみてください。
※陰虚と気虚は併発する事もあります。(特に今年は多いです)
※チェック項目が多いほど疲れています。
〇気虚(ききょ)
・疲れやすい 怠そう
・気力や体力が無い 元気が出ない
・朝が苦手。朝のお散歩に誘っても行きたがらない
・浮腫みやすい
・体が冷えやすい
・食後眠くなる
・集中力が続かない
・舌の淵に歯形がついている
・声が小さい 通りにくい
・汗をかきやすい
「気」が不足しているとエネルギーが足りていないので疲れや怠さがあり、体が冷えやすく浮腫みやすいです。気虚の時は胃腸が弱っている事が多く、食べても上手くエネルギーに変換出来なかったり、食欲不振、軟便、下痢にもなりやすいです。
(元々胃腸が弱い場合もあります)
《 気虚におススメの食材 》
米 かぼちゃ 芋類 大豆 牛肉 鶏肉 きのこ類 青魚 白身魚 栗(少量)など
※上記に加えて人間は
はちみつ 黒糖 エビ ウナギ ブドウ など
※特にブドウは犬にとっては急性腎不全を引き起こす食材です。
絶対に食べさせないでください。
〇陰虚
・喉や口が渇いている
・便が固い コロコロ便
・便秘がち
・乾燥肌
・体が火照りやすい のぼせやすい
・空咳をする(心臓性の咳は除きます)
・痩せ気味 食べてもあまり太らない
・舌が赤い(明太子みたいな色)
・尿が濃くて少なめ
・四肢(手足)の先が熱い 肉球が熱い
・顔が赤くなりやすい
・被毛や髪の毛が乾燥している
・興奮したりピリピリしている リラックス出来ない
「陰」のエネルギーが不足していると体の中で作られた熱が上手くコントロール出来なくなり、逆上させたり、熱によって体の中と外の潤いが減ってしまい、乾燥しがちになります。
酷暑はもちろんですが、加齢と共に陰エネルギーは減っていきます。高齢のワンコが癲癇などの痙攣発作を起こしやすくなる事がありますが、東洋医学ではこの「陰」が衰えたからだと言われています。
《 陰虚におススメの食材 》
きゅうり 梨 トマト 白菜 豆乳 蓮根 白キクラゲ 豚肉など
クコ 昆布 アスパラガス など
※飼い主さんは上記に加えて
レモン 白砂糖 桃 カニなど

「僕は陰虚気味なんだ。お腹も弱いからちょっとだけ気虚になりやすいんだよ」






























