空が高くなり、朝晩はひんやりとした空気を感じる様になりました。
夏日はあるものの、秋は確実に深まって来ています。
今年は猛暑日が長く続き、つい最近まで真夏の様な気温だったせいか、体が疲れているワンコや飼い主さんのご相談を多くお受けします。
特に多いのが、胃腸の疲れと足腰の不調、そして乾燥による不調です。
このまま寒い冬を迎えてしまうと、体を温めたり、エネルギーを作ったり、水分を送り出したりするパワーが不足し、冷えと乾燥による体調不良や体の痛みが出る可能性が高くなります。
ワンコも飼い主さんも「冬は体が冷えて辛い」「寒くなると体に痛みが出る」とい方もいらっしゃるかもしれません。
今のうちにしっかりと夏の疲れをとって、寒い冬を少しでも楽に過ごしましょう。
「今のうちにしっかりケアしちゃおうね!」
とにかく暑かった夏!体も心も頑張りました
今年の夏は、本当に暑かったです。
中医学で夏は、「心(しん)」の働きが活発になり、負担がかかる季節です。
「心」は、五臓六腑の全てを統括するリーダーであり、動物や人間にとって最も重要な強い「陽」のエネルギーを持っています。
※「陽」は体を温めたり、放散したり、積極性をもたらすエネルギーです。
五臓にはそれぞれ役割があり、お互いに影響しあいながら体の働きを維持しています。
この五臓を調和させ、まとめてくれているのが「心」です。
血を全身に巡らせてくれるほか、感情や意識、記憶など精神的な活動にも関わってきます。
また、夏は、自然界も体の中も陽気が高まり、溜まりやすくなって活動的になります。
適度であれば汗をかいてエネルギーを発散させてくれるのですが、近年はその陽気が過剰になり、更に湿気や冷房の影響を受けて年々体への負担が大きくなっています。
夏に大活躍して体を守ってくれる「心」ですが、今年は特に強すぎる陽気で全身が疲弊し、血やエネルギーを巡らせるパワーが弱っているワンコと飼い主さんが多いようです。
「やっと涼しくなったし、そのうち回復するかな…」と思っていたら、あっという間に寒い冬が来てしまう…なんて事もあります。
その前にしっかり養生して、体を立て直してあげて下さいね。
こんな症状ありませんか?ワンコと一緒にチェック!
・息切れしやすい
・疲れやすい。怠そうにしている
・毛艶、肌艶が悪い
・舌の先が赤い
・情緒不安定
・不眠
・手足が冷えている
・足腰に痛みが出ている
・のぼせている・顔に熱がこもっている
これらの症状に心当たりのある場合は、夏の疲れが抜けないまま季節の変わり目の不調になっている可能性が高いです。
大猛暑から一転、急な気温、湿度の低下で余分なお水をきちんと出せず、冷えによる不調と体の中に残って燻っている熱による不調が同時に出ている事もあります。
その上、秋は「肺(はい)」が頑張る季節です。
中医学で「肺」は、呼吸器系だけでなく、皮膚も入ります。
そして大腸とも深い関わりがあり、乾燥による呼吸器系の不調だけでなく、便秘にもなりやすく、お腹が浮腫んでいる場合は下痢にもなりやすいのです。
「ボクは秋に下痢になりやすいんだ。腸が浮腫みやすいんだって」