犬と暮らすとき、その仔らしさを適切に発揮できる生活をしていれば、ストレスは溜まりにくくなることで、いいサイクルが生まれ、飼い主が困る行動も起きにくくなります。
「もっと楽しく犬と暮らすヒント!シリーズ」では、犬と人、互いが楽しく生活するためのヒントをお伝えしていきます。
今回は、犬と家族にとって暮らしやすい住環境を整え、問題が発生することを未然に減らそう!がテーマです。
これから犬を迎える家族はもちろん、すでに犬と暮らしている家族にも参考になるでしょう。
犬の悩み行動改善に取り組む前に
飼い犬の悩みを改善するトレーニング依頼を受け自宅にうかがうと、床やテーブルやテレビ台の上にペンや小物が散らばっていたり、積み上げた雑誌が雑多に置いてあったり、時には蓋のないゴミ箱があったり、いつでも犬に咥えられてしまうような状態になっていることがあります。
これは「いたずら」や「咥えたものを渡さないための威嚇」など、問題とされる犬の行動や誤飲などが起こりやすい環境であり、犬を飼う環境として適切とはいえません。
環境が整っていれば未然に防げる問題も多く、家族のイライラも減りトレーニングも取り組みやすくなります。
まずは、トレーニングの前に犬との暮らしに向いた環境作りを考えてみましょう。
【 部屋の片付け 】
「落ちているもの」「ちょっと頑張れば届きそうなもの」
犬にとって、部屋にある物は、全て噛んでもいいとなるものです。
「人の物だから噛んだらダメ」と言っても分かりません。
「テーブルの上だから届かない」ではなく、使わない・読まないなら捨てる、捨てられないならば、引き出しの中や見えない場所に片付ける。
特に、これから犬を迎える家族は、犬がくる前に室内の断捨離と整理整頓をしましょう。
電気コード類も専用カバーを付けたり柵で囲うなど、工夫をしましょう。
【 プライベートルーム(ハウス)の設置 】
犬は、身体のサイズに見合う囲まれた個室にいると、安心し落ち着きやすい習性を持っています。
「狭い場所に閉じ込めて可哀想だからケージ(サークル)入れられない」という言葉を飼い主から聞くこともあります。
それは、人目線です。
犬の立場から考え、ハウスやケージを用意しましょう。
そうすることで、留守番やトイレトレーニングを教えやすくなり、警戒吠えや食事中の要求吠えなどの軽減にも繋がります。
もちろん、無理に押し込んで扉を閉めてしまうのはNG!それでは、閉じ込め部屋になります。
ハウストレーニングをして、ハウスやケージが犬にとってのプライベートルームになるように。
ハウストレーニングができていると、万が一の震災時、同行避難でハウスで寝泊まりできるなど、用途が広がります。
日常だけでなく、犬にとっていざという時の助けになるでしょう。
【 ハウスやトイレの置き場所はどこがいい? 】
犬が周りを気にせず、落ち着きやすい静かな場所に設置するのがオススメです。
部屋の入り口と真反対や部屋の角っこ、家族の生活動線上に掛からない場所を選びましょう。
玄関入り口が正面に見えるような場所は、家族の出入りを気にしやすくなります。
また、トイレとハウスとの距離を離しましょう。
本来犬は、寝る場所のすぐ横に排泄の匂いがすることを好みません。
トイレは、ハウスと逆側の隅に置くのが理想です。