みんなの夢、猫の未来
第3回 「殺処分とペットビジネス」
竹ノ塚里親の会
前回は猫をめぐる地域の問題についてお話をうかがいました。
今回はお二人にこういった手術を受けた猫たちが里親に出されるまでの会の取り組みと、ペットの殺処分とペットビジネスをめぐる日本の現状について、お話しいただきます。
殺処分をめぐる状況とペットビジネス |
動物愛護センターでは、1日に1000頭ほどの動物が、二酸化炭素ガスで殺処分させられています。(平成21年度の東京都の殺処分数は犬1,317頭 猫3,877頭)愛護センターという名称から動物が保護されていると思う方もいるかもしれませんが、殺処分が行われているのです。飼い主より直接持ち込まれた動物は、引き取り手がいないので即日処分をされます。私たちは、こうした動物をゼロにしたいのです。
ペット・ショップで売買される血統書つきの動物でも、飼い主が見た目が可愛くなくなったから、歳をとったから、病気で汚いからといった理由で処分されていることが多いです。ペット・ショップで売れ残った子犬は裏で取り引きされ、悪質な繁殖屋に振り分けられます。そこで処分される犬もたくさんいます。生きたままミキサー車にかけて殺されてしまうこともあるのです。
こうした話は、動物愛護活動をしているマルコ・ブルーノ氏の著書『マルコの東方犬聞録』の中で紹介されています。日本のこうした事情をかんがみると、生体の販売には一定の規制が必要なのではないかと思います。悪質な繁殖屋は、コスト重視の近親交配の繰り返しにより奇形の子犬が産まれると処分しています。台メスと呼ばれる出産専用の犬は一生檻の中で過ごし、交配のときだけ檻から出され、子犬が産めなくなったら処分されるのです。ブリーダーは現在の登録制でなく許可制にし、一定の基準の規制の中でやるべきことではないでしょうか。
現状では、ホームセンターで誰でもペットを販売できてしまっていて、クリスマスプレゼント用にセール値引きになっています。この時期に「売る・売れる」ための計算をして動物を繁殖させているのです。ペット・ショップで売られている動物たちを眺めていて、小さな動物がだんだん大きくなっていき、それに合わせて値引きされている姿をみると、その動物たちが店頭からいつ姿を消すのだろうかと裏側を知っているだけにハラハラします。
ホームセンターなどで手軽に動物を買える環境になってしまったこと、飲み屋街の中にも24時間営業などでペットを販売するお店があり、お酒の勢いでペットがプレゼントとして気軽に売買されている様子に、胸が痛みます。
次回はお二人に会の発足経緯から今現在までについてお話しいただきます。
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