犬と共に踏み出す一歩
「KIDOGS」
第5回 ドッグトレーナーとして
参加する理由
KIDOGS 犬の講師 里見潤
参加する理由
KIDOGS 犬の講師 里見潤
ドッグトレーナーとして自立支援プログラムに参加してから3年近くが経ちます。
KIDOGSに参加する前に、保護団体Dog shelterのスタッフとして、保護犬のトレーニング経験はありましたが、保護犬を通じて引きこもりや就労が継続的に出来ない若者の自立をサポートする活動は初めてでした。
実は私自身、20代の頃に仕事を辞め、引きこもりをした経験があります。
昼夜逆転、日中は家を出ない、人との会話は親と親戚だけ、他者との接点を持たない、そういう時期がありました。
そして、そんな自分になっていたのは「自分の心が弱く、自分自身で逃げることを選んだ」からだと今の私は知っていますが、その当時は親や周りの環境のせいにしていました。
そんな私が引きこもりから抜け出たきっかけは、『犬』です。
公園に捨てられていた雑種の仔犬を拾い、飼いはじめたことでした。
ご飯、散歩、トイレ、遊ぶ、触れ合い、ケア・・やらなければいけないことができたことで、乱れ崩れていた生活習慣が変わり、日中明るいうちは出られなかった外にも犬の散歩で出て、散歩中に声を掛けてくれる人とは挨拶ができるようになりました。
犬が居たことがきっかけになり、もう一度社会に戻れたのだと今は思います。
その後、ドッグトレーニングの勉強をし仕事にしたことで、自分は犬と縁があるとは思いましたが、その当時は自分が犬に助けてもらったのだという意識はもっていませんでした。
保護犬に関わりを持つようになった時も、
引きこもりの若者に関わりを持つようになった時も、
私自身の体験と接点があることをしているんだ、と意識しませんでした。
若者達が保護犬を通し、受け入れられ、必要とされ、改善しなければいけない点と向き合う姿を近くで見守る中で、自分も似た体験をしてきたんのではないかと気が付くようになりました。
引きこもりの経験を自分自身で認めることや周りに言うことを避けたい気持ちがどこかにあったのかなと、今は思います。
若者達のサポートをするには、その若者自身のいい所に気付かせてあげるような関わり方・改善した方がよい所を指摘していく関わり方、双方を一緒に続けていくことが必要だと思います。
そんな関わり方をしていると、若者達と接していると自分自身の課題にも向き合わされる時がやってきます。
待つのではなく、自分から動かないといけないことを若者に伝えるためには、まず私から先に動かなければいけないことに気付かされました。
保護犬のため、若者のために関わることが、私自身のためにもなる。
保護犬に関わるようになったことも、引きこもりの若者に関わるようになったことも、偶然ではなく、私には必然だったのかなと今は思います。
そう思うと犬と人の縁って不思議です。
NPO法人キドックス(KIDOGS)
http://kidogs.org/
キドックス 犬の講師 山田有紀子 Dog Training Wind Blume
http://wind-blume.com/index.html
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