今回ご紹介するのは関節を労りつつ、秋を楽しむ薬膳ご飯です。
** ワンコ薬膳レシピ紹介 **
「泰介の関節労りごはん 秋のお楽しみ」
〈 材料 〉1食分
鮭…50g
卵…半個
炊いたご飯(白米)…50g
エリンギ…10g
ジャガイモ…10g
大根…10g
白菜…10g
ニンジン…10g
※分量は全て10kgの成犬を基準にしています。
手作りご飯の分量の目安は「手作りご飯の換算指数表」を参考に、その日の体調や様子で調整して下さい。
※写真は具材が分かりやすい様に大きめに切ってあります。
実際に与える時は細かく切るか、ハンドブレンダーなどでトロトロにしてあげると消化の負担を減らす事が出来ます。
〈 下準備 〉
・鮭は骨を取り除く。茹でるなどして加熱しておくと作業しやすいです。
・ニンジン、ジャガイモ、大根は皮を剥く。
・具材を全て「うちの子が食べやすいサイズ」に切り分けておく。
〈 手順 1 〉
お鍋にジャガイモ、ニンジン、大根を入れ、具材がしっかり泳ぐくらいお水を入れて火にかけます。
〈 手順 2 〉
〈手順1〉に火が通ったら鮭とエリンギを入れ、更に加熱します。
〈 手順 3 〉
鮭に火が通ったら白菜を入れ、さらに加熱します。
〈 手順 4 〉
炊いたご飯と卵を入れ、卵に火が通るまで加熱します。
〈 手順 5 〉
火を止め、冷まして盛り付けたら出来上がり。
薬膳豆知識 食材の効能をご紹介
「 鮭 」
お腹を温め、胃腸の働きを整えてくれます。血の巡りを良くしてくれますので浮腫みや疲労回復に効果が期待できます。関節の血行不良にも。
「 卵 」
体を潤し、空咳や口の中の乾きを癒してくれます。
体液や血を養い、高い栄養価で疲労回復や虚弱を改善してくれます。
「 白米 」
活動のエネルギー源となる炭水化物を豊富に含み、元気を与えてくれる食材です。
消化吸収機能、疲労回復、イライラ、不眠を和らげる作用があると言われています。
便秘予防にも良いです。
「 エリンギ 」
キノコの中で唯一関節の痛みや強張りに効果があると言われています。
薬膳ではエリンギは関節や経絡にとりついた冷えや熱、余分な老廃物や痺れを散らすと言われているからです。
関節に不安のあるワンコ(人も)には是非おススメの食材です。
「 ジャガイモ 」
消化器系や胃の働きを高め、元気を補う食材です。
今回はこの効能の他に弛んだ筋肉を助ける効果を狙って使用しました。
足腰の弱りによる便秘にもおススメです。
「 大根 」
胃腸の調子を整え、体内の余分な熱をとったり肺を潤す作用があります。
咳や痰の改善する効果もあり、秋冬はおススメの色となります。
体を冷やす作用があるので、温める食材と組み合わせると良いです。
「 ニンジン 」
ワンコ薬膳ではお馴染みですね。
血を養い、肝の働きを正常にして貧血や夜猛暑、ドライアイや疲れ目を癒したり予防してくれます。
今回はこの養血作用を使って股関節脱臼によって起きた炎症と戦ってくれた血を新しくする目的で使用しました。
「 白菜 」
余分な熱や溜まったお水、便を出すと言われ、薬膳ではかなり重宝される食材です。
また「酒毒を消す」とも言われていますので、飼い主さんの二日酔いにもおススメです。
【 ワンコの手作りごはんの換算指数表 】
愛犬にあったご飯の分量の計算式です。
(ご紹介しているレシピは、換算率1(成犬維持期)の体重10kgで計算した分量です。
例 )
3歳体重10kgのワンコの場合
「ライフステージ別換算指数」=1
「体重別換算指数」=1
・炊いた米の計算式
50×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=50g
・お肉やお魚の計算式
75×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=75g
・野菜の計算式
50×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=50g
「ライフステージ別換算指数」
成長期 (生後3〜6ヶ月) 換算率「 2 」
成長期後期(生後6〜12ヶ月) 換算率「 1.5 」
成犬維持期(生後1〜7年) 換算率「 1 」
高齢期 (生後7年目以降) 換算率「 0.8 」
「体重別換算指数」
1 kg: 0.18 2kg: 0.30 3kg: 0.41 4kg: 0.50 5kg: 0.59
6 kg: 0.68 7kg: 0.77 8kg: 0.85 9kg: 0.92 10kg: 1.00
11kg: 1.07 12kg:1.15 13kg:1.22 14kg:1.29 15kg:1.36
16kg: 1.42 17kg:1.49 18kg: 1.55 19kg:1.62 20kg:1.68
21kg: 1.74 22kg:1.81 23kg: 1.87 24kg:1.93 25kg:1.99
26kg: 2.05 27kg:2.11 28kg: 2.16 29kg:2.22 30kg: 2.28
31kg: 2.34 32kg: 2.39 33kg: 2.45 34kg:2.50 35kg: 2.56
36kg: 2.61 37kg: 2.67 38kg: 2.72 39kg:2.77 40kg: 2.83
その他に気を付けていること
・お散歩はカートを使ってお休みしながら
我が家では元々カートを使用して小桃と泰介とで交代しながらお散歩していたのですが、泰介の股関節の症状が出てからはより少し歩く→休憩→歩くを意識する様になりました。
必要な筋肉は残しつつ、余分な筋肉を落とせたと思います。
泰介はかなり歩きたがる子なのですが、距離よりも回数でかせいで欲求を満たす事を意識しました。
※スリングや抱っこですと、膝や股関節に疾患がある場合は同じ姿勢が続いたり、後ろ足が圧迫されている状態になる事と、体の逃げ場が少ないので関節に負担をかけてしまいます。カートの方が良いかと思います。
・家の環境の見直し
元々我が家では床に滑らないフロアシートを使っていたのですが、泰介の足腰への負担を減らすためによりクッション性の高いコルクマットを部屋全体に敷きました。
ラグやカーペットでも良いと思います。泰介の場合、弱視があり、ラグなどの繋ぎ目が見えなくて引っかかるのを懸念したのでコルクマットを選びました。
・階段は上りも下もNG!!
小型犬の場合、大抵の階段は肩よりも高い所に段があります。
上りも下も人間が考えるよりはるかに負担がかかっていますので、股関節、膝に不安のあるワンコは可能な限り避けた方が良いです。
中型〜大型犬の場合は上りはまだ良いのですが、下りの時は体を支えるなどのサポートをしてあげた方が良いです。
今回のお話で誤解しないで頂きたいのですが、あくまでも「泰介の場合は手術しないで済んだ」というお話で、「レッグペルテスや重度の股関節脱臼は手術しなくても大丈夫」というお話ではありません。
特に強い痛みや壊死、骨の崩壊がある場合は手術した方が良いですし、きちんと育った筋肉はしっかりリハビリすれば回復が見込めます。