今まで数回にわたって
「犬のトレーニングをやってみましょう!」「続けましょう!」
とお伝えしてきました。
そのトレーニングで重要なのは、始めるときより、終るとき。
トレーニングを覚え始めたときや、競技会など目標に向かってトレーニングをするときは、ついつい熱が入って気がつくと1時間近くトレーニングをしていた・・・なんて事があります。
私もよくやってしまうのですが、出来ないところがあると、出来るようになるまで愛犬をトレーニングに付き合わせてしまったり、悩みながら愛犬と動いてしまうことがあります。
すると、最初は楽しそうについてきてくれた愛犬に、匂い嗅ぎや吠え、ピタッと動かなくなったり、どこかへ行ったりという『もうやめようよ~』のサインを出させてしまうのです。
これでは、せっかくのトレーニングもお互いにいいイメージが残らず、ただ長い時間トレーニングをこなした事実だけが残る。
とても勿体ない愛犬との時間の過ごし方になってしまいます。そればかりか、トレーニングに対して愛犬にネガティブなイメージを残してしまうこともあります。
犬は、驚くほど「楽しみ」や「恐怖」といった感情と「そのときの行動」をしっかりと紐付けて憶えています。
ネガティブなイメージのトレーニングが続くと、トレーニングそのものに対するモチベーションが下がることになりかねません。
逆の言い方をすると、楽しいイメージでトレーニングを終われば、次のトレーニングに良い状態でつながっていくでしょう。
トレーニングの終わらせ方には、
* 人がここまでと決めて終わらせる。
* 犬が満足した状態で終わりにする。
* 時間やおやつがなくなったら終わり。
など、色々な考え方やケースがあります。
どれも間違いではなく、状況によっては選択枝が限られる場合もあると思います。
ただ、どのようなケースであっても、
犬も人も『やった~できた!』と同じ気持ちで終ることが重要です。
できれば、そのときやっているトレーニングの一番良い状態のところでしっかりと褒めて、そこでお互いにいい気分で終わりにできれば最高です。
犬がしっかり集中してトレーニングしてくれていると、ついついもっと続けようという欲が出てきてしまうのが人間です。
私も、『こんなに集中しているのに、ここで止めたらもったいない』などと考えてしまいがちです。
でも、疲れて集中も切れかけたところで『あ~、終ってよかった』と、犬に思わせてしまうよりも『え~、もう終わっちゃうの?もっとやろうよ!』と、意欲を持ったまま終わったほうが、次への期待が高まり、結果として高い集中力の持続につながっていきます。
満腹感よりも腹八分目、もっとおかわりしたい!
犬にそう思えるトレーニングこそ、お互いにとって一番おいしいトレーニング。
私も愛犬と、いつもそうありたいものです。