しつけ・ケア

犬が花火を怖がる原因と注意すること、対策方法

夏といえば、海水浴や川遊び、キャンプやBBQ、縁日や花火大会など、楽しいイベントがたくさんあります。
そして、どのイベントでも夏を楽しむグッズとして思い浮かぶのは「花火」です。
その花火に驚いて逃げ出し迷子になる犬が多くなること、そして事故にあってしまう犬もいることはご存知でしょうか?
多くの犬は、花火や雷など、大きな音を怖がります。
今回は、犬が花火を怖がる原因や怖がる犬のストレスを減らす対策方法をご紹介します。

犬が花火を怖がる理由!怖がらない犬がいるのはなぜ?

花火を怖がる犬と怖がらない犬の違いは、個体差や犬の経験・社会化・遺伝など、さまざまな要因が考えられます。

《 遺伝的要因 》

犬の性格や行動は、遺伝的な要因にも影響を受けます。
一部の犬は、元々神経質で敏感な性格を持ち、音や刺激に対して過敏に反応しやすい傾向があります。一方で、怖がらない犬の多くは、大胆な性格であったり、刺激に対してより鈍感な可能性があります。

《 経験と社会化 》

犬が幼少期にどのような経験を積み、どれだけ社会化されたかも、花火への反応に影響を与える要因として考えられます。
例えば、幼少期に花火の音や光を怖いと感じる経験をした場合、その後も怖がる可能性が高まります。
逆に、花火の音に対しポジティブな経験を幼少期に積んでいれば、花火を怖がらないかもしれません。

《 前触れや刺激の違い 》

花火が怖いと感じる犬には、花火の音が聞こえる前の予兆(例: 音の増加、臭いの変化など)に敏感に反応していることがあります。
一方で、花火に対して無関心な犬は、これらの前兆に対する感受性が低いか、またはその刺激に対して興味を示さない可能性があります。

犬の個体差は人間同様に存在し、彼らが異なる個性や反応を持つ理由は多岐にわたります。犬が花火を怖がるかどうかは、上記の要因の組み合わせやその他の環境要因によって影響を受けることが考えられます。

高齢になり耳が聞こえにくくなった犬は、花火を怖がらない?

高齢犬になると、犬の聴力が低下して、花火の音が聞こえづらくなるため、花火に対する反応が軽減されることがあります。

ただ、犬の行動や感情は複雑で、年齢や聴力だけでなく、他の要因も影響を及ぼす可能性があります。
たとえ聴力が低下していても、花火の明るい光や振動などによって怖がることがあるかもしれません。

高齢の犬が花火を怖がらない場合もあれば、怖がる場合もあります。
犬の個体差や状況によって異なるため、その犬自身の行動と態度をよく観察することが大切です。
怖がる犬には、リラックスさせる方法やストレスを軽減する方法を探すことが安心に過ごすための助けとなるでしょう。

花火が原因で死亡することはありますか?

花火が原因で犬が死亡することは稀に報告されています。
花火によって犬がストレスや恐怖を感じ、健康問題が発生することがあります。
いくつかの例を挙げてみます。

心臓の問題

音や光の刺激によって犬の心拍数が上昇し、心臓に負担がかかることがあります。
特に、既に心臓疾患を抱えている犬は、過度なストレスが心臓に悪影響を及ぼす可能性があります。

脱走や怪我

花火の音や明るい光が犬を驚かせ、パニック状態に陥らせることがあります。
その結果、犬が脱走したり、周囲の物にぶつかったりすることで怪我をする可能性があります。

呼吸問題

花火の音に驚いた犬が過度に興奮すると、呼吸が浅くなることがあります。
これが長時間続くと、呼吸困難を引き起こす可能性があります。

脳卒中や発作

高度なストレスや恐怖状態は、犬の脳に影響を及ぼす可能性があります。
これが脳卒中や発作のトリガーになることがあるとされています。

これらのリスクを軽減するために、近所や出先で花火大会などの予定がある場合は、犬の安全と健康を確保することが大切です。
安全で静かな場所に移動するなど、ストレスを最小限に抑えるための工夫をしてあげてましょう。

犬の花火への反応を管理する方法

犬の花火への反応を管理するためには、トレーニングや対処法が重要です。
怖がる傾向のある犬に対しては、リラックスさせるトレーニングや状況への適切なアプローチを学ぶことで、彼らの不安を軽減することができるかもしれません。

犬をリラックスさせる方法

犬をリラックスさせるためには、いくつかの方法があります。
ただし、犬の個性や好みによって効果が異なることがあるため、愛犬に合っているか方法を見つけていきましょう。

《 静かな場所の提供 》

花火や騒音が予想される時期に、犬に静かな場所を提供してあげることが重要です。
安心感のある場所で過ごすことで、犬はリラックスしやすくなります。

《 落ち着いた音楽 》

落ち着いた音楽や自然の音を流すことで、犬の緊張を和らげることができます。
特に、リラックス効果のある音楽や白いノイズは試してみる価値があります。

※白いノイズ(White Noise)とは
さまざまな周波数の音が等しく混ざった音のことを指します。
すべての周波数帯域が均等に含まれており、無音とは異なり、一定の音が聞こえる状態です。
自然界や日常生活でさまざまな場所で発生する音の中に存在します。
白いノイズは、その均一な性質から、環境の音をマスキングしたり、集中力を高めたり、リラックスさせたりするために利用されることがあります。

《 マッサージや acupressure 》

犬に優しくマッサージを施すことで、筋肉の緊張をほぐし、リラックスさせることができます。
また、特定のアクポイントに優しく圧をかけるアキュプレッシャーも効果的です。

※アキュプレッシャー(Acupressure)とは
伝統的な東洋医学の一部である鍼灸と関連している手法の一つです。
鍼灸療法では、特定の身体のポイントに刺鍼を行うことで体のバランスを調整し、健康を促進するとされています。
アキュプレッシャーは、この刺鍼の代わりに指や指圧器を使用して、同じポイントに圧をかける手法です。

《 愛犬に寄り添い愛情を 》

犬が落ち着くと感じるのは、飼い主の愛情です。
ゆったりとしたペースで優しく撫でる、声をかける、一緒に過ごすなど、愛情表現をすることで犬は安心感を感じやすくなります。

《 安全なおもちゃやおやつ 》

犬が好きなおもちゃや噛むものを与えることで、彼らの気を紛らわせることができます。
噛むことは犬にとってストレス解消の一つとなることがあります。

《 薬やサプリメント 》

獣医師と相談の上で、犬のストレスを軽減するための薬やサプリメントの使用を検討することも一つの選択肢です。


これらの方法を試してみて、愛犬が最もリラックスする方法を見つけてみてください。
また、犬が花火に対して強い不安を感じる場合には、獣医師に相談して専門家の助言を得ることもおすすめです。

 

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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