ブリーダーとは、犬や猫などペットとなる動物に関する専門的な知識を持ち、その動物の繁殖や飼育を行い、ペットショップや個人に販売する事業を行う人のことです。
犬や猫の血統を知り、遺伝的な疾患を予防するための交配を手掛け、元気な子犬や子猫を送り出す使命をおった、責任のある仕事です。
1973年に制定された動物愛護法(正式名称:動物の愛護および管理に関する法律)は、その後改正を重ねています。
その目的は、全ての動物たちが当たり前に生きていける環境を整えるためであると私は感じています。
使命や意識を欠いた一部のブリーダーが起こす事件のために、ブリーダー全体のイメージが悪いものになることは、動物たちと暮らす社会全体にとって動物愛護・福祉の観点からもマイナスになることです。
今回は、日本におけるブリーディングを正しく観る目を養うために「ブリーダーを知る」をテーマにご紹介します。
ブリーダーになるには資格が必要?
ブリーダーになるために特別な資格はありません。
ただ、ブリーダーを開業するために下記の資格が必要です。
『動物取扱責任者』
動物取扱責任者の資格を取得するためには、下記の3つのいずれかに該当していなければいけません。
・動物取扱業の登録をしているペットショップなどで半年以上の実務経験を積むことです。
・第一種動物取扱業に関する技術や知識について、1年以上教育している教育機関を卒業していることです。
・愛玩動物飼養管理士や家庭動物販売士、動物看護師など約30種類ほどある資格の中のどれか1つを取得することです。
参考:東京都動物愛護相談センター 動物取扱責任者の要件について
ブリーダーを開業するために必要な登録・許可制度について
ブリーダーを開業するために、下記の届け出(登録)が必要です。
『第一種動物取扱業』
動物のブリーダーになるには、各都道府県に届出をして許可をもらい動物取扱業の登録をします。
(動物取扱業の登録をするためには、動物取扱責任者の選任をしなければいけません)
『動物飼養(収容)許可』
ブリーダーになるには特別な免許や国家資格などはなく、どのような人でもブリーダーになることはできます。
しかし、正しく繁殖を行うためには、その動物の遺伝や病気、血統に関する知識を身につけなければいけません。
それら動物に関する幅広い専門的な知識を身につけるために「ドッグトレーナー 」や「動物看護師」「愛玩動物飼養管理士」「トリマー」などを学び資格を取る人が多いそうです。
ブリーダーと繁殖業者の違い
ブリーダーと同じと思われがちなのが繁殖業者です。
両方とも動物の繁殖を行っていますが、そこには大きな違いがあります。
《 ブリーダー 》
扱う動物の血統や質のよさを残すために、衛生管理や健康状態に細心の注意を払って繁殖や飼育に取り組んでいます。
また、特定の犬種や猫種に魅せられ繁殖活動を行っていることが多く、流行に左右されることはほとんどありません。
《 繁殖業者 》
動物は商品、利益を求めて乱繁殖しています。
親犬・親猫たちは、劣悪な環境で飼育され、オスにはぎりぎり生きれるだけの餌と水、仔を身もごりやすくするためメスは太らせます。
散歩や日々のケアをすることなく、動物の特性を理解することもなく、人気の動物を繁殖そして販売。
動物愛護・福祉の考えとかけはなれた、悪質な経営を行っています。
ブリーダーになるには特別な資格は必要ありませんが、軽い気持ちでできる仕事ではありません。
動物たちの命を扱うブリーダーは、動物たちへの愛情や責任感、使命感をもって動物の繁殖と飼育・育成に取り組んでいるんですね。