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動物たちも助けたい
~全国の災害時動物救護ニュース~

第1回 VMAT「災害派遣獣医療チーム」
公益社団法人 福岡県獣医師会
    


2011年未曾有の被害をもたらした東日本大震災以降、全国的に動物救護に対する関心と意識が高まり、地域・各団体そして個人でも様々な備えを行い、環境整備がなされてきています。
この連載では、全国各地で行われている災害時の動物救護の取り組みを紹介していきます。動物たちとそのご家族の助けとなることを願って。
 

VMAT「災害派遣獣医療チーム」

 

 

VMAT(災害派遣獣医療チーム)とは?

阪神淡路大震災後、設立されたどうぶつ救援本部(緊急災害時動物救護本部)は、自治体の要請に応えて、自治体が行う動物救援活動をバックアップする事が多い機関です。
それ故、初動や様々な要望の対応に時間がかかってしまっていると感じるケースも多々ありました。

それに対し、VMAT(災害派遣獣医療チーム)大規模災害や多くの傷病動物が発生した事故などの現場に、行政の支持を待たずに急性期(おおむね48時間以内)に活動できる動物救護の専門的な訓練を受けた獣医師、動物看護師、トリマー、訓練士、一般ボランティアなど1チーム4~5名で構成される獣医療チームのことです。

人の医療においては、1995年の阪神淡路大震災を教訓として、2005年に災害時の医療支援を行うために訓練された医療チーム(災害派遣医療チーム / DMAT)が防災基本計画の中に制定されました。
一方、動物の医療においては災害時の動物救護体制が準備されておらず、それが東日本大震災における動物救護の遅れにつながったと考えられています。
そこで福岡県獣医師会では、災害時動物救護対策委員会を立ち上げ大規模災害の発生直後にペットの救助にあたれる「災害派遣獣医療チーム」VMAT(ブイマット)を全国で初めて発足されました。

災害発生時には、VMATだけではなく協力獣医師や入院施設などを提供して被災動物を保護する協力動物病院などの獣医師の協力が必要です。
また、動物看護師やトリマーなど動物専門職の方、さらに動物愛護団体や一般ボランティアなどさまざまな方向性をもった多くの協力が重要となります。
その人員の調整や活動を指揮することもVMATの役目です。

 

これからの課題

各地でVMATが結成されれば、地域性を考えた救護ガイドラインを作成でき、官民一体の迅速な動物救護体制が実現されます。
そして、私たち飼い主が動物の命を守るためにできることは「同行避難」です。
同行避難をスムーズに行うための日頃の訓練と準備が大切です。ペットと一緒に暮らしている人暮らしていない人、動物が苦手な人など関係なくペットと一緒に避難することが当たり前になっていくことが必要です。

VMAT「災害派遣獣医療チーム」

 

以下、2013/05/16付 西日本新聞朝刊より

動物たちも何とか助けたい-。
福岡県獣医師会(約750人)が、大規模災害の発生直後にペットの救助に当たる「災害派遣獣医療チーム」(VMAT、ブイマット)を全国で初めて発足させる。
 
多くのペットも犠牲になった東日本大震災を教訓に、被災地での救助法などの研修を受け、隊員に登録した獣医師が、要請に基づき現場に駆け付ける。
15日には、VMAT体制の充実に協力する自治体第1号として福岡県糸島市が県獣医師会と協定を結んだ。
 
 飼い主を見失い、汚れた犬や猫、無造作に道路に横たわる餓死したペット…。
震災から4カ月後の2011年7月、福島県など被災地でボランティアとして活動した福岡県中間市の獣医師、船津敏弘さん(57)はその姿と、悲嘆に暮れる飼い主の表情に胸が痛んだ。
「自分たちが大災害に普段から備えておかなければペットは救えない」と痛感。
VMATの必要性を仲間に説いて回った。
 
 県獣医師会は船津さんらの思いを受け止め、詳細な計画を策定。
それによると、震度6弱以上の地震や2人以上が犠牲となるような災害時には獣医師会内に「対策本部」を設置。
被災地に住む獣医師や市民から情報を集め、対策本部がVMATの隊員に出動を要請する。
平時から県内6カ所の支部ごとに獣医師や動物看護師などのチームを配置し、要請に即応できる体制を整えておく。
 
   ※   ※
 
 災害現場で安全に活動するためには、専門的な知識も求められるため、VMAT隊員になるには複数回の養成研修を受けけてもらう。
昨年11月から始まった研修では、消防署による人命救助の講習も盛り込まれている。
研修を終了し、獣医師会の面接試験に合格すると、隊員として正式に登録される。
現在約20人が研修を終えた段階だ。
 
今後、被災現場から運ばれてきたペットの治療に当たる「協力動物病院」や「協力獣医師」の登録も進める。
 
   ※   ※
 
 15日、獣医師会は糸島市と原発事故を除く災害時の協定を結んだ。
VMATの活動費は獣医師の負担だが、糸島市は状況によっては犬猫の保護施設を設け、運営を協力する。
保護施設開所が1カ月以上となれば、えさ代などを負担するという。
 
 1人暮らしの世帯も増える中、家族の一員として人の心を癒やすペットたち。
福岡県獣医師会の大倉雅彰専務理事は「災害時に人命を最優先するのは当然だが、ペットを置いて避難し、心の重荷に感じる人も多い。
被災者の心理的ケアのためにも、ペットの救護活動にしっかり取り組んでいきたい」と話している。

 

2014年5月9日掲載

 

 


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 GORON 吉川奈美紀 

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