桜の花も咲き始め、すっかり春本番です。
今年は、急に気温が上昇したり、大量のスギ花粉が一気に飛散し出すなど、例年より春の陽気がパワフルに押し寄せて来ているようです。
(ちなみに、去年は春の陽気がゆっくりでした)
その影響か、ワンコの薬膳相談の方には急な下痢・胃の疲れ・湿疹・痙攣の頻発などの春の体調不良のご相談が一気に入ってきています。
人間もかなり影響を受けているようで、私の周りでも「頭痛が頻発している」「疲れやすい」「何となく不調」と仰られる方も多いです。
そこで今回は、ちょっとしんどいこの「パワフルな春」を乗り切るお話をさせて頂きます。
「ボクは春はのぼせちゃうんだよ。一緒に乗り切ろう!」
春の不調ってどんなもの?
春は「立春」を境に冬の間に溜めていたもの、体の奥に入っていたものが少しづつ緩み、流れ出して伸び伸びと動き始めます。
この時よく働いてくれる五臓は「肝」です。
肝はエネルギーや血の流れを円滑にし、流れをコントロールしてくれます。
他にも内臓の動きをスムーズに保ったり、血の調節や精神を安定させる働きがあります。
肝が活発になる時期ではありますが、お話したように冬の間に溜めていたものを解毒する為にたくさん働かなければならないため、負担がかかり、疲れやすい時期でもあります。
更に、春の陽気の影響を受けてエネルギーが上昇し、上半身に熱や気が集まりやすくなり、体質や体調によっては気の巡りが悪くなり、体調を崩す原因となります。
★こんなワンコは要注意!(飼い主さんも!)
◯前提疾患、癲癇、脳炎など、頭部の疾患がある
◯正常の範囲内ながら、肝臓の数値が高い
◯肩こり、筋肉が固い
◯目を痒がる 赤くなる
◯イライラ、怒りっぽい
◯咳やくしゃみが多い
◯爪が割れやすい
飼い主さんは上記の他に
◯眼精疲労、ドライアイがある
◯寝ている時などに足が攣る
◯生理痛が重い
◯更年期
「花粉症のクシャミ、鼻水は気の上昇と肺の冷え、目の痒みは肝の昂ぶりだよ。アレルギーがあってもケアすると楽になるよ。」
特に要注意!頭部の疾患とあなどれない肩こり
春は「木の芽時」と言われているように、草木が成長するようにエネルギーが上へ上へと上昇する季節です。
その為、頭部の疾患やしびれ、肩こりなどの症状が強く出る季節でもあります。
「肩こりなんて不快だけど大した事ないでしょ」と思われるかもしれません。
ですが、ワンコの場合は体重の6〜7割を前脚に乗せています。
その為、通常でも肩周りの筋肉に負担がかかっている状態です。
飼い主さんも経験があると思いますが、肩こりが重くなると首の動きが悪くなったり、呼吸が浅くなったり、頭痛を起こしたらします。
四つ足で立ち、行動するワンコは体全体の動きに影響し、背骨が丸まってしまいます。
高齢のワンコは特にその傾向が強いです。
「高齢だからなぁ」「年のせいかなぁ」と思われがちですが、それだけではありません。
頭部に疾患のあるワンコは肩こりが慢性的に続く事で痙攣などの症状が出た時に、体への負担がより多くなってしまう事もあります。
特に、前提疾患のワンコは首、肩の凝りが頭の傾きを更に強くしてしまいます。
痙攣などの発作のあるワンコもマッサージをしてあげる事でエネルギーと血の流れを良くし、体への負担を減らす事が出来ます。
是非普段から首、肩周りを優しくほぐし、少しでも楽に過ごせる様にしてあげて下さい。
「発作は辛いけど、マッサージして少しでも楽になってね」
※我が家の先代の愛犬、小珠です。脳と心臓に疾患があり、痙攣の発作が頻発する子でした。