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動物愛護法の他にも、動物を助けられるものがあります

日本では、国民の間に広く動物の愛護と適正な飼養についての理解と関心を深める為、動物愛護管理法で毎年9月20〜26日の間を動物愛護週間と定められています。
今回の世界の動物事情は、動物愛護について、動物虐待や違法行為などに関する「獣医法医学」を修了した認定法医学獣医師であり、アメリカ在住の現役臨床獣医師、シェルターメディシンでもある西山ゆう子さんにうかがいました。

GORON 吉川奈美紀


西山ゆう子さんの情報サイトより(2020年9月29日)
https://yukonishiyama.com/save-animals-without-law/

こんな法改正では、日本の動物は永久に幸せになれない?

Aさんから、コメントをいただきました。
「私は、今回の動物愛護法の改正、数値化を、とても残念に思っています。猫の繁殖に関して制限を出していないですし、帝王切開に関しても、回数を規制していません。こんなことでは、悪徳ブリーダーは今までと同じように、動物の命を商売道具として使い、何度も産ませ使い捨てるでしょう。今までと同じです。これでは日本の動物たちは、永久に幸せになれません。
私は、ブリーダーもペットショップも、全部必要ないと思っています。悪以外の何でもありません。きびしい法律を作って、ペットショップもブリーダー業も、全部規制しない限り、動物は物のままで、ずっと苦しみ続けると思います」。

Aさんへ
お気持ち、よくわかります。
ニュースやSNSなどで、悲惨な状況で飼われている動物たち、不衛生な場所に閉じ込められている写真を見ると、本当に胸が痛みます。

今日は、動物愛護法以外にも、動物のために何かできることはないか、というお話をしたいと思います。

「数値規制」は甘すぎる?

現在、環境省が提示している「数値規制案」に対して、確かに、これも入れてほしい、これをもっと厳しくしてほしい、という要望を、SNSでみかけます。
きびしく規制しないと、悪徳業者は改善しないかもしれません。
ただ、それと同時に、今、きちんと愛情を持ち、本当に動物の体の負担を心配しながら、繁殖をしているブリーダーもいらっしゃること、そして、そのような方たちも、正しい繁殖を続けられる法改正でなくてはなりません。

ペットショップや繁殖業はすべていらない、なので法ですべて規制というのは、現時点では受け入れられないでしょう。

40歳以上の女性が出産すると、ダウン症の子の出産が多いので不幸だ、といって法で40歳以上の出産を禁止することはありません
2度帝王切開をした女性は、3度目は危ないので、次の妊娠出産を法で禁止する、ということもありません。
帝王切開ばかりのブルドッグなんてもういらない、淘汰すればいい、と思う人もいれば、ブルドッグをこよなく愛し、犬種を保存したいと思う人もいます。
動物愛護法は、それぞれの各動物たちが、1匹1匹、痛みなく飢えなく幸福に満たされて生きることができるように、というのを目的としています。
一部の悪徳な人たちを取り締まるのが目的ですが、かといって、きちんと愛情を持って繁殖業を営んでいる人たちの基本権利を制限することはできません。

法改正をきびしくさえすれば、日本中のすべてのペットたちが幸福になるとも思えません。
私は、法律以外にも、動物の幸福を推進するものが、いくつかあると思っています。

動物愛護法の他にも、動物を助けられるものがあります「ガイドライン」

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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