人が社会性を身につけることが大切なように、犬も人と暮らしていくために一定のルールを身につける必要があります。
『犬の社会化』は、犬たちにとって、人間の社会で快適に暮らしていくためのルールを身に付けるための土壌。
この土壌は、仔犬の時期に接するさまざまな出来事や経験の積み重ねでつくられていきます。
『犬の社会化』って?
人間の社会は、犬にとって様々な刺激にあふれています。
・家族以外の人
・犬や猫などの動物
・音・におい
・行ったことのない場所
・経験したことのない出来事
これら様々な刺激に慣れさせ、環境が変わっても犬が過度に緊張したり興奮しないで過ごせるように育てていくことが、『犬の社会化』といいます。
環境適応能力の高い仔犬の時期(社会化期)に、いろんな場所で様々な経験をさせ、人や他犬とストレスなくコミュニケーションができるようにしてゆくことを犬の社会化といいます。
社会化において大切な時期の過ごし方
生後3週齢~14週齢の仔犬の時期といわれています。
この頃の仔犬たちは、とても好奇心が高く、外からのさまざまな刺激も受け入れやすい時期です。
この時期にできるだけ家以外の環境で過ごす時間をつくり、いろんな人・犬に出会い、社会化への経験を積ませてあげましょう。
【スリングをつかってお散歩】
12週齢位までは、ワクチン接種を繰り返し仔犬の免疫をつくっている時期なので、土の上など犬を直に歩かせることはできません。
スリングなどを使い、仔犬を抱いて外に連れて行くようにしましょう。
【「人」に慣れることが社会化の第一歩!】
犬好きな人に撫でてもらったり、犬が嫌がる傾向がある「子供」や「制服・作業着姿の人」に協力してもらい、仔犬におやつやフードを与えてもらうなど、飼い主以外の人を好きになる機会を作ってみてください。
【ドライブを楽しもう!】
これからいろんな場所に出かけることも考え、車に乗ることにも慣れさせておきましょう。
最初は、短い距離からはじめていきます。
「車」=「動物病院」と紐づかないように、病院以外の場所にも連れて行ってください。
犬にとって、「車」=「楽しい場所」となれば、ドライブ中に犬が受ける様々なストレスの影響を小さくしていくことができます。
【社会化ができている犬に会う】
犬に慣れていくために、いろんな犬に会っていくことも大切ですが、残念なことに今の日本には、社会化ができている犬が多くありません。
落ち着いた犬と暮らす知り合いがいれば、協力してもらい、会わせてもらいましょう。
豆知識その1 / 犬の性格を決める要素は、大きく分けて3つ
犬種特性
個体がもつ遺伝的気質
環境
豆知識その2 / 犬が嫌がることが多い人のタイプ
声の大きい人
騒がしい子ども
制服・作業着の人
覆いかぶさってくる人