ドッグトレーニングを続けていると、必ずどこかのタイミングで
『競技会(または訓練試験)に出てみませんか?』
というお誘いを受けることでしょう。
競技会でお友達の犬の勇姿に影響を受けて、競技会を目標にトレーニングを始める方もいるかと思いますが、トレーニングを教わっている先生やお友達から誘われて、出てみようかな?と思われる方が多いのではないでしょうか。
ひとことで競技会といっても、ジャンルや規模など様々あります。
オビディエンス(服従訓練):「脚側行進」や「呼び戻し」、「待て」や「伏せ」など、正確さを競う
アジリティ・エクストリーム:さまざまな障害物が設置されたコースを走り抜ける競技
フリースタイル:犬と一緒に音楽に合わせて踊る
ディスク・フライボール:犬が大好きなフリスビーやボールを使う競技
まだまだ多様な競技があります。
そして、最近では初心者や競技団体に所属していない飼い主でも、気軽に参加できるビギナークラスを設ける大会が増えており、競技会が身近なものになっています。
『自分と愛犬は、競技会なんてまだまだ・・・』
そうお考えの方にこそ、ぜひ積極的に参加してみることをお勧めします。
もしトレーニングを始めて日が浅く、いきなり競技に参加するのは気が引けるという方は、まずは愛犬と一緒に会場に行くだけでも十分です。
なぜなら日常とかけ離れた場所に行くことは、たくさんの経験値とアイディアを得られる、またとないチャンスだからです。
普段のトレーニングでは、ほとんどの方が決まった場所での練習を繰り返します。
もちろん、何かを覚えるためにはトレーニングに集中できる場所が必須ですが、本当の意味で犬に行動を理解してもらうためには、それだけでは不十分なのです。
代表的な例では、『家の中ではオスワリできるけど、外ではできない』という事を聞いたり経験している方がいるかと思います。これはできないのではなく、飼い主が外でのオスワリを教えていないからです。
どこでもオスワリができるようにしたいのなら、家だけでなく道路・公園・ショッピングセンターなど、様々な刺激と感覚の場所でトレーニングしていくことが必要になります。
そして訓練競技の会場は、たくさんの犬と人が集まり、緊張や高揚感といった普段は感じることのない感情が漂う非日常の場所です。
そこで愛犬がどういう反応をするのか?
興奮しすぎたり臆病になってしまう子もいれば、全く憶さない子もいます。
あるいは、飼い主が緊張してしまって、頭が真っ白になってしまうこともよくあります。
自分と愛犬が日常から一歩外に踏み出したときに、どういうコンディションになるのか。普段は見えない一面を知ることで愛犬との距離がさらに近くなります。
そして一番大切なのは、その場を『楽しい』感情としっかり結び付けて帰ることです。
ビギナークラスであればオモチャやオヤツといったモチベーターが使えますし、しっかりと大げさなくらい褒め言葉をかけてあげることもできます。
失敗しても、動かなくなってしまってもいいのです、その場にいるだけで犬は大変な努力をしています。
名前を呼んで、アイコンタクトができたらもう100点満点です。
順位や点数は人間だけの評価で、犬はただ精一杯頑張っているのですから、無条件で褒めてあげてください。
=ママ(パパ)は頑張っている自分を認めて、励まして、褒めてくれる=
その体験が飼い主との絆を深める種となり、やがてその絆が素晴しいパフォーマンスとなって大きく花開くことでしょう。
日常から非日常へと、愛犬と共に一歩踏み出してみませんか?
そこには、日常では決して味わうことのない感情と感動が待っています。