健康・病気

馬の冬の水分補給

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、「冬の水分補給」についてです。

冬は夏に比べると馬たちの水分補給について心配が少ないイメージがありますが、冬期の脱水は意外と起こりやすいのです。
冬は、疝痛の予防に重点を置き、馬の腸の閉塞につながる水の問題を防ぐ重要な季節と言えます。

冬場は、馬が汗をかく量も夏に比べればかなり減ります。
しかし、さまざまな要因で馬の飲水量が減っている可能性があるので注意が必要です。
馬は、健康を維持するために 1 日に約40リットル前後の水を飲む必要がありますが、歯に問題がある場合は特に、氷のように寒いときには水を飲む量が少なくなることがよくあります。
また、水桶に氷が張ってしまうと、それを突き破ってまで全ての馬が水を飲もうとする訳でもありません。
海外の場合、水桶用のヒーターなどが使われていることがありますが、日本で私は見かけたことがありません。
こまめに水桶の水をチェックすることや夜間はあらかじめ温かいお湯を張る事で少しでも凍るのを防いだりなどします。  

脱水症は、馬の腸閉塞疝痛のリスクを高める深刻な問題なので冬の間も脱水症の兆候がないか馬を観察しましょう。
馬の肩をつまんで皮膚が平らに戻るまでの遅延 (皮膚のテント化と呼ばれる))があるかどうかを見て、水分補給を評価する便利な方法です。
皮膚の反応が遅い場合は、ある程度の脱水症を示している可能性があります。  

馬が十分な量を飲んでいない場合は、脱水症状がないか注意するだけでなく、馬が必要な量を摂取できるように岩塩などを馬房に設置すると良いですね。 

冬場は、水分を多く含んだ青草の摂取量が減るので、濃厚飼料に水を加えたり、給餌前に干し草を 10 分間浸したりなどして給餌のタイミングで水分をより補給できる様に工夫します。

馬は、少しずつ餌を食べる動物で、消化器官は常に動いている時に最適に機能します。
消化を助け、詰まりを防ぐために、常に水が飲めるようにする必要があります。
冬は、水分の多い牧草地よりも乾きやすい干し草の消費量が増えるため、水の必要量が増えます。
常に、新鮮できれいな水を24 時間、たっぷりと飲めるようにしてください。

そして、冬場馬に水を飲ませるには、運動後にはぬるま湯をあげましょう。
馬は、冷たい水よりもぬるま湯だと飲水量が増えます。
これは冬でも夏でも同じです!飲みが悪い時はフスマを混ぜた薄めのブランマッシュにしてあげると大抵の馬は飲んでくれます。

寒い時期も馬の水分補給に気を配って人馬ともに元気に冬を過ごしましょう!

進 由紀

進 由紀

投稿者の記事一覧

(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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