夏の暑さもすっかり和らぎ、多少気温が高くてもすごしやすい季節になって来ました。
最近わんこの薬膳相談で多くなってきたのが「シニアケア」です。
「病気ではないんだけど、体調が気になる。」
「痛い所があるけど、家で出来る事があれば。。。」
飼い主さんから、このようなご要望をいただく事があります。
そこで今回は「東洋医学の知恵を使ったお家でできるシニアケア 足腰編」のお話をさせていただきますね。
「小桃もシニアだよ。」
シニアって何歳からなの?
一般的な目安として、犬のシニア期は7歳からといわれていますが、東洋医学では5〜6歳で腎精(生命力)がピークを迎え、その後下降していくといわれています。
人間で言えば35〜40歳くらいですね。
この記事を読んで下さってる方の中にも「あ、そういえば自分も・・・」と思い当たる事があるかもしれません。
少しでも早いうちからケアをしていけば、老化の変化を緩やかにすることができます。
「うちの子はまだまだ若いし!!」と思わずに、5〜6歳くらいから快適なシニアライフに向けて、少しづつケアを始めてみて下さい。
健康は足腰から!犬にとって安全な運動を
東洋医学では「生きることは動けること、生きるには動く必要あり」という言葉があります。
でも注意してほしいのは、過剰な運動や休憩しないで何キロも歩かせるという意味ではないということです。
人間は、足裏全体で立ち、足首の関節が受ける力と動く幅(旋回幅)が大きいのでコンクリートなどの固い地面から受ける衝撃を逃がすことが出来ます。
それに対して、犬は、体重を肉球のみで支え、踵が宙に浮いています。
いわゆる「つま先立ち」の状態です。
「だからワンコは早く走れるんだよ」
足首の旋回幅も人間よりかなり少ない為、激しい運動や長時間の歩行をさせると膝や股関節に過度な負担がかかります。
他にも「頻繁な階段の登り下り」「ツルツルした床」「急な方向転換」も足腰の不調や怪我の原因となります。
「運動させたい」「運動の強度を上げたい」というワンコにおススメなのは
・長めのお散歩で休憩を入れながらゆっくり歩く
・一直線に走らせる
(こちらは膝の靭帯や太腿のトレーニングになり、関節にも過度な負担をかけないので有効です)
水泳ってどうなの?
「リハビリになればとお風呂で泳がせている」「脚が悪いからプールで泳がせている」というお話を聞きます。
「プールでのトレーニングをしても良いのでしょうか?」とご相談を受ける事もあります。
ちょっとした水遊び程度なら良いのですが、「泳がせる」「リハビリやトレーニング」となると話は別です。
ライフジャケットや補助もなしに泳がせると、水の浮力で背骨が反った状態になり、犬かきをする時には水の抵抗で関節に過度な負担をかけ、かえって腰痛や関節炎を悪化させる事が多いです。
リハビリやトレーニング目的なら必ずトレーナーさんや専門家の指導を仰ぎましょう。
そして遊びで泳ぐときも短時間にしましょう。
例えば10分泳いで遊んだら20分は休むというように、必ず休憩させながら遊びましょう。
個人的には遊びの水泳もライフジャケットの着用をおススメします。
そうすることで背骨への負担が軽減できます。
※専門家の指導家であれば、その限りではありません。
「何ごともほどほどに。」
余談ですが、人間もプールでのリハビリを頑張りすぎて、膝や腰の痛みを悪化させる方が多いのです…小桃の言う通り「ほどほどに」が大切です。