藤田典子

ペットを失うということ 第2回 ペットを失ってしまったら

ペットを失うということ

第1回  ペットを失ってしまったら

    藤田典子


  前回は、「ペットを失う」ということがどのようなことなのかについて書いてきました。ここからは、ペットを失ったらどうしたらいいのかについて書いていきたいと思います。

悲しみと向き合うには

  第1回で述べましたが、ペットを失った悲しみは人によって様々です。ですから、「あの人はこのくらいしか悲しんでいない」とか「こんなに長く悲しいのはおかしいのか」と思うのではなく、自分の悲しみと向き合って、受け入れ、しっかり悲しんでください。悲しみを和らげるためにできることは色々あります。

  例えば、家族でお葬式をあげたりすることは悲しみを分かち合える機会になるでしょうし、写真を整理してアルバムを作ることは、悲しみの陰に隠れてしまっていた楽しかった思い出をもう一度思い出させてくれるかもしれません。ペットに向けてお手紙を書いたり、友人にお話をされたりすることも悲しみを表現するという大切なことです。「ご家族や友人に話すことができない」とお悩みの方へのサポートも行われています。

  Pet Lovers Meetinghttp://www.ddtune.com/plm/)は、3ヶ月に1回「ミーティング」を開催し、同じ経験を持つ人たちと経験を語り合い、お互いに支えあう場を提供されています。次回「ミーティング」は2012年3月25日(日)(※2012年3月16日現在)に池袋で行われます。また、毎週土曜日13:00~16:00の間、ボランティアの方がペットを失った悲しみを聴くホットライン(03-5954-0355)を開設されています。

  今の気持ちを話したい方のためのお電話ですので、「周りの人には話せないけど、誰かに聞いてほしい」という方、是非お電話をかけてみてください。通話料はかけた方の負担になりますが、相談料はかかりませんし、名前を名乗る必要もありません。詳しくはPet Lovers Meetingのホームページをご覧ください。

ペットを失った人へできること

  もし今、あなたの友人でペットを失って悲しんでいる人がいたらどうしますか。また、どのような言葉をかけるでしょうか。「どんな気持ちかわかります」、「何かできることがあったら連絡してくださいね」といった言葉はついかけてしまうかもしれません。しかし、これらは「決まり文句」と言われ、あまり適切といえる言葉かけではないとされています。

  自分にもペットを失った経験があっても、ペットとの関係がそれぞれ異なるために相手の悲しみはなかなか理解できないものであり、自分自身が経験した際の苦悩を思い出したくないために「心」からではなく「頭」で支援してしまっているといわれています。また、適切・不適切とされる対応は以下のものがあります。

適切とされる対応

  • 話を聴く
  • 一緒にいる
  • 悲しむ時間を与える
  • 共感する
  • 相手を理解して、認める  など

不適切とされる対応

  • 些細なものとして扱ったり、理解しない
  • 悲しんでることを批判したり怒ったりする
  • 他の死別経験と比較する
  • 哀れんだり、決まり文句で慰める
  • 気分転換を勧めたり、わざと忙しくさせる

  しかし、不適切とされる対応の一部に「不適切と感じた人が少なかった」ということも明らかになっており、必ずしもこの通りに、「これは適切だからしてあげなきゃ」と考える必要はありません。これら適切・不適切とされている対応は知識として持ち合わせ、自分と相手との関係を踏まえて相手に合わせ、臨機応変に対応することが重要です。

  相手のことを思っているから「何かできることはないだろうか」と考えることは自然でありますが、だからこそ相手がどのような対応を求めているのか、相手の側に立って考えてみてください。

最後に

  よく「ペットを失うときの悲しみを防ぐ」ということを耳にします。ペットを失った際の悲しみは、大切だった存在を失ったからこそ起こる自然なものです。ですから、「おかしい」と思わず思いっきり悲しみ、悲しみは悲しみとして受け入れてあげてください。

  ペットも私たち人間と同じ生物ですから、やがては「死」が訪れます。普段から「死」を認識していくことは大切ですが、元気いっぱいに走り回るペットをみて「死」など考えられないでしょう。「いつか死んでしまう」と「死」にとらわれて接するよりも、ペットとの日々の生活を思いっきり満喫してください。もちろんお互いにとってベストな生活を。もし、ペットが病気になったら自分ができる限りのことをしてあげてください。そして、「別れ」がきたら思いっきり悲しんでください。

  大切な存在との別れですから、悲しみはとても深いと思います。やがて、悲しみの陰から楽しかった思い出が少しずつ戻ってくる日が訪れます。その日が訪れるまで、悲しむことを怖がらないでください。

  この記事が、「ペットを失う」ということに対する誤解や偏見を解くきっかけとなり、ペットを失った飼い主様の悲しみを和らげるお手伝いとなったら幸いです。

ペットを失うということ
第1回 ペットを失った時おこりうること

藤田典子

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(ふじた のりこ)

帝京科学大学大学院理工学研究科博士課程前期修了。
「ペットの喪失」についての研究報告、またその領域をレビュー。
現在、埼玉県深谷市の動物病院にて勤務。

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