乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。今回は春らしい話題です。
春になると、動物たちの様子が少し変わってきます。
猫は日なたを求めて窓辺に集まり、犬は散歩の足取りが軽くなる。そんな変化を感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、馬にも同じような「春の変化」があります。
乗馬クラブではよく、「春は馬が元気になる季節」と言われます。普段は落ち着いている馬が、少しテンション高めだったり、いつもより動きが軽やかだったり。人から見ると「急に元気になった?」と感じることも少なくありません。
では、なぜ春になると馬の様子が変わるのでしょうか。

■ 日照時間の変化が影響する
大きな理由のひとつは、日照時間です。
冬は日が短く、暗くなるのも早いですが、春になると少しずつ昼の時間が長くなります。この光の変化は、馬の体にも影響を与えます。
馬はとても自然に敏感な動物です。
日照時間が長くなることで体内のホルモンバランスが変化し、活動的になりやすいと言われています。人でも、春になるとなんとなく気分が軽くなったり、外に出たくなったりしますよね。それと似たような変化が、馬にも起こるのです。
■ 気温の変化と体の軽さ
もうひとつは、気温の変化です。
冬の間は寒さで体がこわばりやすく、運動量も少し控えめになることがあります。そこから春になり、気温が上がってくると、体が動かしやすくなります。
人でも、寒い朝は体が動きづらく、暖かい日は自然と動きやすく感じます。馬も同じで、暖かくなることで筋肉の動きが軽くなり、結果として元気に見えることがあります。
■ 若い馬ほど変化が大きい
春の影響を特に受けやすいのが、若い馬です。
エネルギーがもともと豊富なため、気温や日照時間の変化でテンションが上がりやすくなります。放牧に出た瞬間に軽く走り回ったり、普段よりも活発に動いたりする姿を見ることもあります。
こうした様子を見て「急に暴れた」と感じる方もいますが、多くの場合は、体が軽くなってエネルギーがあふれているだけのことも多いのです。
■ 春こそ大切なウォームアップ
そんな春の時期に大切なのが、ウォームアップです。
元気な馬ほど、いきなり強い運動をすると体に負担がかかることがあります。特に冬の間に体が硬くなっている場合、急な動きで筋肉を痛めてしまう可能性もあります。
そのため、春はいつも以上にゆっくりと体をほぐしながら運動を始めることが大切です。
少し長めに歩かせたり、馬の呼吸やリズムを感じながら動かしていくことで、馬も安心して体を動かせるようになります。
■ 春は「動き出す季節」
春は、自然が少しずつ動き出す季節です。
草が伸び、風がやわらぎ、動物たちもどこか活発になります。
馬もまた、その変化を敏感に感じ取りながら過ごしています。
少し元気すぎるように見える日もありますが、それは季節のエネルギーを受け取っている証拠かもしれません。
そんな春の馬の姿を見ながら、「今日は元気だね」と声をかけてみるのも、この季節ならではの楽しみのひとつですね。






























