乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。今回は冬の大敵、「冷え」について。
冬になると、動物たちも冷えによる変化が出てきます。
犬や猫では、丸くなって寝る姿や、毛布の上から離れない様子が「寒さ」を感じさせますよね。
では、馬はどうでしょうか。
体が大きく、寒さに強そうに見える馬ですが、実は“カラダの冷え”にとても敏感な動物です。
今回は、馬の冷えやすいポイントと、その対策についてご紹介します。

見た目より冷えやすい?馬の体の仕組み
馬は全身を筋肉で覆われていて、一見すると寒さに強そうに見えます。
ところが、被毛は犬や猫ほど密ではなく、冬毛に生え変わるとはいえ、断熱効果はそれほど高くありません。
とくに、腹部・内股・脇の下・前胸部などは被毛が薄く、冷えやすい部分です。
また、蹄の中には血管が通っており、寒さによって血流が滞ると、脚のむくみや筋肉のこわばりにつながることもあります。
日中の運動後、気温が急激に下がる夕方から夜にかけて、冷えによる筋肉の張りが強くなるケースもよく見られます。
冷えは不調のサインに?
馬は言葉で不調を訴えることができないため、冷えが引き金となって「なんとなく元気がない」「動きがぎこちない」といった変化で表れることがあります。
冬場の調子の悪さは、運動不足や環境の変化だけでなく、冷えの影響が関わっていることも多いのです。
とくに、乗馬クラブなどで日中しか動かない馬の場合、夜間は体温が下がりやすく、朝は体が冷えてこわばっていることも。
こうした“冷えスタート”は、その日のパフォーマンスにも大きく影響します。
具体的な対策は?
冬の馬の冷え対策には、大きく分けて「保温」「血流促進」「環境管理」の3つがあります。
1. 保温
運動後に馬着(ばちゃく)と呼ばれる防寒着を着せたり、夜間は厚手のブランケットで体を覆ったりします。特に、運動後すぐの冷え込みを防ぐのはとても重要です。汗が冷えてしまうと、急激に体温が下がってしまうためです。
2. 血流を促す運動
朝の軽い運動や、夕方の引き運動(人が歩いて馬を連れて運動させる)も効果的です。じわじわと筋肉を温めることで、こわばりの予防になります。冬でも“じっとさせないこと”がポイントです。
3. 環境を整える
冷たい風が吹き込まない厩舎環境や、足元が乾いた状態を保つことも大切です。水が冷たすぎると飲水量が減ってしまうため、ぬるめの水を用意する施設もあります。
馬も「冷え対策」が必要です
人が厚着をしたり、湯たんぽを使ったりするように、馬にとっても冷えを防ぐ工夫は欠かせません。
むしろ、馬のような大きな動物だからこそ、小さな変化が大きな不調につながることもあります。
寒い季節こそ、「いつもとちがう?」という視点を持って、馬の表情や歩き方、体の緊張感などを観察することが大切です。
ほんの少しの気づきが、馬の健康と快適さを守ることにつながります。






























