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ペット可賃貸オーナーのための共生経営ガイド ~犬と猫、そして人が快適に暮らせる物件づくり ~  第1回 今、ペット可物件が選ばれる理由

「ペット可物件」とひとことで言っても、
実際の運営にはさまざまな工夫や配慮が求められます。
鳴き声や臭い、傷の問題、近隣トラブルへの懸念など……
オーナーとしては“貸したいけれど少し不安”という方も多いのではないでしょうか。

このシリーズでは、
ペットと人、そしてオーナーが安心して共に暮らせる「ペット共生型賃貸」の考え方を、
実例や現場の視点を交えながら、やさしく紐解いていきます。

“動物も人も心地よく暮らせる物件”を目指すオーナーさんに向けて、
今日からできる小さな工夫と、長く愛される物件づくりのヒントをお届けします。

~オーナーが知っておきたい新しい入居者ニーズ~

ここ数年、ペットを家族に迎える人がぐんと増えています。
「おうち時間」が増えたこともあり、犬や猫と暮らすことで癒しや安心を求める人が多くなったのです。

ところが、そんな飼い主さんたちが口をそろえて言うのが
「ペット可の物件が少ない」という悩み。
実際、全国の賃貸物件のうちペット可はまだ2割にも満たないといわれています。
そのため、ペットと暮らせる部屋は常に人気が高く、家賃が多少高くても埋まりやすい傾向にあります。


 ペット可は“差別化”ではなく“時代の流れ”に

かつて「ペット可物件」といえば、珍しくて特別な存在でした。
しかし今は違います。
ひとり暮らしでも、共働き夫婦でも、高齢者世帯でも、ペットを家族の一員として迎えることが当たり前になってきています。

その結果、「ペットが飼えるかどうか」は、物件選びの大きな基準のひとつになりました。
つまり、ペット可にすること=入居者ニーズを掴むことなのです。

オーナーにとっても、これはチャンスです。
同じエリア・同じ間取りでも、「ペット可」というだけで募集の反応が数倍になることも珍しくありません。
空室対策としても効果的ですし、結果的に長期入居者を確保しやすい傾向があります。


「でも、傷や臭いが心配…」という声も

もちろん、オーナーにとって気になるのはリスク面ですよね。
壁や床の傷、鳴き声や臭い、ほかの入居者とのトラブル……。
ペット可物件の運営は、そうした「不安のケア」がポイントになります。

しかし、最近はペット向けの建材や設備もとても進化しています。
たとえば、

  • ひっかき傷に強い壁紙

  • 消臭機能付きクロスやフローリング

  • 玄関近くの足洗いスペース
    など、少しの工夫でトラブルを大幅に減らすことができるのです。

また、「ペット飼育規約」や「特約」を契約にしっかり明記しておくことで、
原状回復トラブルも防げます。
(このあたりは次回の記事で詳しくご紹介します)


 ペット可にすることで得られる3つのメリット

  1. 空室リスクの軽減
     ペット可物件は常に需要があるため、空室期間が短くなりやすいです。

  2. 家賃単価アップが期待できる
     エリアにもよりますが、相場より5〜10%高く設定できるケースも。

  3. 入居者の長期定住化
     ペットを飼っている入居者は引っ越しを避ける傾向が強く、結果的に安定経営につながります。

このように、しっかりした管理体制を整えれば、**「リスクよりもメリットが大きい」**のがペット可賃貸の現実です。


 共に暮らす時代へ ― “ペット共生賃貸”という考え方

最近は、単に「ペット可」ではなく、**“ペット共生”**をうたう物件も増えています。
たとえば、共用部に足洗い場やドッグランを設けたり、
猫が自由に動けるキャットウォークを備えた部屋にしたり。

こうした共生型の工夫は、入居者の満足度を上げるだけでなく、
物件のブランド力を高める効果もあります。
今後は「ペット共生=魅力的なライフスタイルの提案」として、
入居者にもオーナーにもプラスの価値をもたらしてくれるはずです。

 次回予告

次回は、オーナーが最も気になるテーマ
👉 「ペット可賃貸のトラブルを防ぐルールと契約書づくり」
について、実際の例を交えながらわかりやすく解説していきます。

“安心して運営できるペット可物件”を作るために、
どんなルールを整えるべきか、ぜひ一緒に見ていきましょう。

ペット可賃貸オーナーのための共生経営ガイド ~犬と猫、そして人が快適に暮らせる物件づくり ~ 第2回 トラブルを防ぐルールと契約書づくり

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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