我が家のワンコの年齢は13歳と9か月。
5か月の時に我が家のワンコになり、13年間家族として一緒に暮らしてきました。
これからもずっと一緒に楽しみたい気持ちと、色々なネガティブなことも覚悟をしないといけない年頃であることを考えて、複雑な気持ちになることもあります。
そして、これまで私たち家族の癒しになってくれた出来事の沢山あったことを思い返しています。
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13年前、息子が11歳になり、中学受験のために塾に行き始めた頃でした。
息子が「中学生になったらワンコ飼いたいね」と言っていました。
そんな折、ひょんな成り行きから近所のドッグスクールにいたワンコに出逢い、家族として迎えることになったのです。
出逢いとは不思議なもので、普段、環境の変化に慎重で臆病な私ですが、息子の塾のことや、自身の仕事のことなどあったにも関わらず、ただ、この仔を家族に迎えたい!という勢いでワンコとの暮らしが始まりました。
当時の息子は、塾に通い始めたばかりで、以前からの習い事もあり、忙しい生活と緊張からアトピー性皮膚炎が再発していました。
「皮膚科のお医者さんに通わなきゃね」と話していた頃でした。
ワンコを迎えるために、週末は家族そろってドッグスクールに通ったり、イベントに参加したりしました。
我が家に家族として迎えてから、一緒に散歩に行ったり、庭で遊んだり、一緒に過ごすうちに、気が付けば息子のアトピー性皮膚炎がどんどん治まり、消えていきました。
息子にしたら小さい弟ができたような感じだったみたいです。
かわいがるというより、戯れるという感じで接していました。
彼がテレビゲームをしている時は、ひざの上や横に座ったりしながら過ごしていたように思います。
間違いなく、塾や習い事の忙しい合間の癒しになっていました。
この出来事だけでもワンコを迎えて良かったと思いました。
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家族として、私の実家に連れていくこともありました。
両親ともに犬が好きだったので、ワンコ用のお皿や水飲みや足ふきなども用意してくれていました。
そんな両親も老いが進み、母が認知症になりテレビの番人のようになってしまい、会話も表情も乏しくなっていきました。
そんな時も母の前にちょこんと座り、おやつをもらったり、お手をしたり母の問いかけのお付き合いをしてくれたりしてくれました。
そうしてワンコと過ごす時の母は、表情も豊かで声に張りもあり、とても不思議に感じていました。
また、抱っこをされるのが苦手なワンコなのですが、母が無理やり抱きしめてくることには無抵抗でじっとしていてくれていました。
きっと、何かを感じ分かっていたのだろうと思います。
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父とは、友達のようでした。
いつも「おっす!」と挨拶する父にワンコもハイタッチのように両前足でタッチをして応えてじゃれるというのが、お決まりのパターンでした。
数年前、父が入院し、緩和ケアのホスピスへ移ることになったとき、父は精神的にとてもダメージを受けました。
入院したホスピスは、24時間面会可能でペットも家族として面会ができるところでした。
ホスピスに到着した時、父は心が荒んでしまっているようでした。
病院では、看護士さんに愛想を振りまいていたのに、ホスピスでは怖い顔で看護士さんに当たり散らし、私とも口をきいてくれず、食事も着替えも拒否をしてしまい、私はどうしたものかと悲しくなっていました。
翌日、看護士さんや私には相変わらずのふてくされた顔。
ところがワンコを見つけると、ぱぁっと明るい顔になり、いつもの「おっす!」と挨拶してくれたのです。
ワンコも大喜びで父の顔や手を舐めまわし、感動の再会をすることに。
その後の父は、食事も着替えもしてくれて表情も穏やかになりました。
父の笑顔を見て、看護士さんもホッとして涙するほどでした。
父は、ベッドで寄り添って寝るワンコの手を握り、とても穏やかな時間を過ごしました。
最期の笑顔を見ることができたのはワンコのおかげだと思っています。
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もちろん両親の最期を看取る中で、私の辛い気持ちに寄り添ってくれていたことにもとても感謝しています。
看病の合間の散歩が大変と思うこともありましたが、散歩の時間がとても気分転換になり、星空を眺めながらワンコに話を聞いてもらう散歩の時間は、私の心を軽くしてくれました。
こうして思い出していくと、我が家のワンコは、セラピー犬!ペットセラピーです。
本当に、人の心を解し癒す力があるのだと実感しています。
何も説明しなくても、自分の役割を感じて相手に心を寄せてくれるありがたい存在です。
そんなワンコに恩返しができるように、今度は私が寄り添って楽しい時間を一緒に過ごしていきたいと思っています。