梅雨から夏にかけてじめじめ湿度が高いこの時期に多くなる『外耳炎』と、その治療方法や予防についてのお話です。
外耳炎とは
耳の穴の入口(耳たぶを含む)から鼓膜までの炎症のことです。
《 症状 》
・耳をかゆがる
・赤くなる
・くさくなる
・耳アカがたくさんでる
など
《 原因 》
主な原因は、「細菌」「真菌(カビ)」「耳ダニ」です。
【 細菌や真菌(カビ)】
細菌や真菌は、動物(犬や猫)のふけや耳など正常な皮膚にも存在してします。
普段は、常在菌としているだけで悪さはしません。
ところが、何らかの原因で動物(犬や猫)の免疫力や抵抗力が低下したり、細菌や真菌が繁殖至康環境になるとどんどん増殖して外耳炎になってしまいます。
真菌の酵母菌に属している『マラセチア』が、犬の外耳炎ナンバー1の原因菌です。
「繁殖しやすい環境」とは
細菌や真菌は、脂質や湿度のある場所を好みます。
【 耳ダニ 】
耳ダニは『ミミヒゼンダニ』と呼ばれる小さなダニです。
大きさが0.2~0.3mm、肉眼でギリギリ見える程度。
耳の中に寄生し、寄生された動物たちは、とても激しいかゆみにおそわれます。
屋外で身体につく大きなダニとは違ったタイプのダニです。
ほとんど人にはうつりませんが、他の動物にはうつってしまうので注意が必要です。
耳ダニが寄生している時の耳アカは特徴的で、黒くホロホロしています。
耳ダニは、犬より猫に多く見られます。
特に、外にでる猫に多いようです。
《 治療方法 》
まずは、耳アカを検査して原因を特定します。
原因が分かったらタイプ別に治療法がわかれます。
「細菌・真菌」タイプの治療方法
症状が「軽度」の場合は、点耳薬をつけて経過を観察します。
症状が「中~重度」の場合は、抗生剤や抗真菌剤の内服投与が必要になることがあります。
「耳ダニ」タイプの治療方法
耳ダニを殺す薬を使います。
この薬は、成虫と幼ダニにしか効かず、卵には効果がありません。
そのため、卵がう化する約3週間後に再び投与します。
耳そうじで外耳炎予防!
外耳炎の予防のために大切なのが耳そうじです。
そこで、耳そうじの仕方をご紹介します。
1.イヤークリーナーを直接耳の中に入れて、マッサージをするように耳のつけ根をもみます。
2.一旦、コットンで拭き取ります。
3.もんだ後、頭をブルブルっと振るまで待ちます。
このブルブルで耳の奥の水や汚れが外にでてきます。
4.最後に再びコットンでよく拭き取ります。
※注意
綿棒を使うときは、耳の表面や入口までにしましょう。
犬や猫の耳は、L字型になっており、綿棒を奥まで使ってしまうと耳アカを奥へ奥へといかせてしまいます。
耳そうじのやり過ぎは、皮膚を傷つけてしまい外耳炎を悪化させてしまうこともあります。
外耳炎予防のために、週に1回を目安に耳そうじをしてあげましょう!