進由紀

一生忘れることのない馬「ダック」の話

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、クォーターホースのダックについてのお話をしたいと思います。

アメリカのオクラホマ州で 1984 年に生まれたダック 毛色は、チェスナッツ(栗毛)で顔には立派な白がある男の子です。
クォーターホースは、アメリカでカウボーイが乗ったり、ウエスタン馬術用の馬です。
1/4 マイルだったら、サラブレッドより速く走ると言われています。

今は、わからないですが、その昔、アメリカで生産された純血のクォーターホースは、上唇に タトゥーが入っていました。
(個体識別のための印です)
ダックも上唇に数字が彫ってありました。

日本へ来て、ダックと名付けられた彼は、ある観光乗馬の施設で働き始めました。
多頭放牧されていて、ダックは馬たちのボスでした。
人を乗せると、、、 初めて馬に乗るお客様に対してはとっても優しくてゆっくり歩くのですが、 経験のある方や、少しでも馬に対して邪念のある方(笑)に対しては、いわゆる入れ込んで しまって危険だったこともしばしば。。。

その後、別の乗馬クラブへと相棒だったムックと一緒に移籍しました。
その乗馬クラブでは、初めての人を乗せるためのエースとして、また他の馬を先導してくれ る頼もしいボスとして働きました。
実は、ダックは私が乗馬クラブで働き始めてから、初めての「担当馬」。
ダックを言い表す言葉は、 勇敢で、優しく、頼もしくて、誠実。
馬たちの教育係でもあり、私にとっても頼れる相棒。
いや、ダックに対しては、相棒なんて偉そうに言えないなと思う位、心から尊敬していた馬 です。
例えば、夜の闇が不気味で何かの作業が怖いなと思う時に、 ダックを引いて一緒に付いて来てもらう、みたいな、そんな存在でした。
クラブの創立メンバーだったダックは、クラブの創成期を支えてくれた立役者でした。

初めての人を乗せ続けて、最後はのんびりと老後を過ごし、30 歳で亡くなりました。
きっと、あのクラブでダックという栗毛の綺麗な馬に乗ったよ、という思い出のある方が沢山いらっしゃると思うんです。
ダックに乗ったのが、人生で馬に乗った最初で最後のスペシャルな 1 回という方も。
そう思うと、初めての人を乗せてくれる馬って尊いですし、そういう馬と共に働ける事は本当にありがたい事だな、と思います。
沢山の馬と出会って別れも同じ数だけ経験してきましたが、私はダックを一生忘れることはないと思います。
皆さんの心にも、そんな存在がきっといますよね。

 

進 由紀

進 由紀

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(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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