我が家には、猫が3匹と犬が1匹います。
猫は3匹とも捨て猫、そのうちの1匹は、無理やり保護した推定4歳のオス猫です。
その猫との出会いは、約半年前、小雨が降るサービスエリアでした。
休憩を取ろうと立ち寄ったサービスエリアに、1匹の成猫がとことこ歩いていたのです。
たまたま犬用のおやつを持っていたので、近寄ってきたその猫に少しあげてみると、何のためらいもなく手から食べてくれました。
翌日は、最大級の台風が上陸するという状況の中、「このまま、この猫と別れたら一生後悔する」と思い込んだ私は、約1時間の攻防の末に、捕獲することに成功しました。
オスかメスかも分からない
病気を持っている可能性もある
それでもそう遠くない未来に、飢えるか車に轢かれるかして生涯を終えるであろうその猫をそのままにできなかったのです。
そうして家に連れ飼ったところで、先住の2匹の猫たちにとっては、まさに青天の霹靂。
たまたま病気を持っていなかったのは良かったのですが、突然現れた見知らぬ猫に敵意むき出し、しばらくの間、同じ部屋にいることさえできませんでした。
保護猫は、わりとおとなしい性格のオス猫でした。
はじめは、部屋の隅に引きこもり、人が撫でようとするとびくっと身体をこわばらせ、攻撃性はないものの人に対して隙を見せまいと頑なな態度をとっていました。
先住犬との関係は、問題がなくすぐにお互いの距離感をつかんだものの、人間との関係・先住猫との関係・環境の変化への戸惑いは、なかなかすんなりはいかない様子でした。
本来は、これらのことをしっかりと考慮してから保護猫(犬)を迎え入れるべきなのでしょうが、実際に生活してみないと分からないのも事実です。
そして、ゆっくりと、少しずつ、時間が解決していくこともあります。
日夜問わず小競り合いが絶えなかった猫たちも、毎日同じ空間の中で過ごすことでうまく距離をとることを覚え、1ヶ月、2ヶ月と過ぎるうちに同じ部屋の中で落ち着いて過ごす時間が増えてきました。
猫同士の相性で言えば、決していいとはいえませんが、『まあしょうがないな』といった感じで同居を認め合っているようです。
人に対して、まだ甘えてくることはありませんが、気が付くと足元で寝ていたり、身体を撫でさせてくれたりと、時々見せてくれる無防備な姿に、心の変化が見て取れて本当に嬉しいのです。
仔猫のとき人と一緒に暮らし始めると、すぐに人馴れして、ゴロゴロと喉を鳴らしたり、擦り寄ってきたり、あっという間に強い関係性が作れることがほとんどです。
成猫には、それまでの経験があるため、なかなかすぐに関係性を築くことが難しいのも事実です。
しかし、根雪が溶けていくように、小さな変化にも喜びを感じながらゆっくりと関係を築いていくと、愛おしさが増すように思います。
もし、猫を家族に迎えようと思ったなら。
突然、猫を保護してしまったなら。
どうか猫の年齢を問わず、一緒に暮らすことを考えてみてください。
いくつになっても、猫は癒しを与えてくれる、愛おしい存在です。