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プロレスで「犬猫殺処分ゼロ!」?! プロレス集団ZERO1大谷晋二郎さんに聞く – 第2回

プロレスで「犬猫殺処分ゼロ!」?!

第2回

  プロレス集団ZERO1 これまでの活動について


 プロレスを通じて犬猫殺処分ゼロを訴えているプロレス集団ZERO1。これまでも、さまざまなメッセージを発信しています。今回は、ZERO1さんのこれまでの活動について伺いたいと思います。

――「いじめ撲滅」の試合についてお聞かせください。

 「いじめ撲滅」の活動は、10年ほど前からスタートしました。プロレスを通じて、子どもたちに何が伝えられるかを考えています。

いじめ撲滅!

子どもたちに伝える

 子どもたちに見せたいという学校からのお声掛けで出かけて行くのですが、いまの子どもたち、プロレスってほとんど知らないんですよ。いまはゴールデンタイムにテレビ等でもやっていませんしね。僕は学校に呼ばれたら、一緒に給食を食べたり、掃除をしたり、そんなことを通して、子どもたちとの距離を小さくする。そして、プロレスってこういうものだよ、というのを話した後に、実際にプロレスを見せるんです。子どもたちは、初めて見るプロレスなのに、夢中になって応援してくれるんですよ。時には涙を流しながらね。中には「こわい」と言って体育館から逃げてしまう子もいます。(最初に先生方に、そういう子がでるかもしれません、フォローをお願いしますということもお話ししてあります。)でも、ほとんどの子どもは、リングをたたきながら、必死になってがんばれ!がんばれ!と応援してくれます。

 僕も、勝つときもあれば負ける時もあります。勝とうが負けようが、僕は終わった後に、もういちどあらためて子どもたちに向かって話すんです。「今日は、一生懸命闘う僕たちを、一生懸命に応援してくださってありがとうございました」と、子どもたちに対してきちんと敬語で挨拶するんです。その時の子どもたちは、試合前に教室で話していたときより、ずっと真剣に聞いてくれているのが感じられます。そうやって真剣に聞いてくれている子どもたちに、僕はメッセージを伝えるんです。「一生懸命な人を一生懸命に応援する人。そして、お父さんお母さんへの感謝の気持ちを忘れない人。この2つを守れている人は、いじめなんかぜったいしないんだ!」って。「そういう、気持ちの優しい、あたたかい人になってください!なれますか!」と問いかけると、大きな声で「はい!」という返事が返ってきます。

大人が一生懸命な姿をみせる

 大人はみんな、子どもたちに「ああしなさい、こうしなさい」と言うじゃないですか。それはそれで大切だと思うんですけれども、もしかしたらその前に、われわれ大人は、「一生懸命な姿」というのを見せなければいけないんじゃないかと、この活動を続けていく中で思い始めたんです。試合前に話すときと、試合後に汗だくになってマイクを持つときとでは、子どもたちの聞く姿勢がまるで違うんですよ。まず、僕たち大人の一生懸命な姿を見せて、それからメッセージを伝えたら、思った以上に子どもたちの心に届くんじゃないかなと思います。

 皆さんそれぞれのステージがあって、それぞれの仕事があって、働いている姿を見せるのが難しいところもあるかもしれないですが、一生懸命頑張っている人って、なんとなくわかると思うんですよ。子どものいじめ撲滅、というのと同時に、保護者の方にも、われわれ大人も一生懸命な姿を未来を背負う子どもたちに見せようじゃありませんか!と、あつくるしいメッセージを伝えています。

プロレスだからこそ伝えられる

大谷さん

 プロレスというのは、伝えやすいツールなんだろうと思うんです。現実に闘っている姿を見せるわけですからね。そういう仕事をしている僕たちには「伝える使命」があるんじゃないかなと思っているんです。

 子どもたちには衝撃ですよね。普段見たこともないくらい大きな大人がばっちんばっちん叩き合ったり投げられたりしているわけですから。投げられても蹴られても、「負けるかー」と立ち上がる選手の姿を見て、どう思ってくれるか。終わった後に、子どもたちともひとりひとり握手するんですが、あるとき、僕は試合で足を痛めてしまって、ある子どもに「足痛くないの?」ときかれたので、「痛いよ。でも君たちがいるからやるんだよ。伝えたいことがあるからさ!」と言ったんです。そうしたら、その子が「ありがとう」と。このおじさんはけがをしても僕たちのためにリングに上がってくれたんだ、と思ってもらえたのかな。そのときに、自分のやっていることはまちがっていない!と思ったんです。

――― 「いじめ撲滅」の試合は、「本当に強い人はいじめなんかしないし、何度でも立ちあがる」というスローガンを掲げています。大谷さんにとって「本当に強い人」とは?

 学校に呼ばれたとき、僕は子どもたちに「君たちにとって強い人ってどんな人?」と問いかけるんです。子どもたちからは「ケンカが強い人」とか「体が大きい人」とか、いろいろと出てきます。どれが正解、というのはないんだけれど、僕の考えはね、ということで「本当に強い人というのは、何度やられても立ち上がる人のことをいうんじゃないかと思うんだ」という風に話しています。「どんな人だって、負けることはある。どんなに強い人だって、いつかは負ける。本当の勝負はそこからじゃないかと僕は思う」と話すんです。本当に強い人は、何度でも立ち上がる人だと思う。そういう人になれるように、みんな頑張ろうよ、と、子どもたちに分かりやすい言葉で伝えています。

 プロレスには賛否両論あります。プロレスごっこからいじめになることだってあるでしょ、とか。そういう方には、まずわれわれのやっていることを見て下さい、と言っています。僕たちは自分たちの活動を信じていますから。見ていただけた方には、なるほど、こういうことですか、と言っていただけるんです。プロレスにもいろいろありますけれども、うちのスタイルは、とにかくやられてもやられても立ち上がる、という姿ですから、そこから何かを伝えられているんじゃないかなと思います。

プロレスを通じて、「本当の強さとはなにか?」ということを考えることができますね。

大谷さんは、著書『何度でも立ち上がれ』(1500円・キーステージ21刊)の中でもいじめ撲滅の活動について書かれています。

次回は、ZERO1さんの震災復興などの支援活動についてご紹介します。

あなたのレスラーズ特設サイト 犬と猫、そして動物たちのレスラーズ
http://www.z-1.co.jp/animal/

ZERO1オフィシャルWEBサイト
http://www.z-1.co.jp/index.html

『何度でも立ち上がれ―僕の人生起き上がりこぼし』1500円
大谷晋二郎・著(キーステージ21・刊)
何度でも立ち上がれ―僕の人生起き上がりこぼし特設サイト
Amazonの商品情報はこちら

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