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ペットを預ける際に気を付けたいこと

ペットを預ける際に気を付けたいこと

 

    


 旅行や急用で家を空けなければならなくなった時、自分の代わりにペットの世話をしてくれる人はいるでしょうか? 家族に頼めない場合は、どこかへ、あるいは誰かに預けないといけなくなってしまいます。そこで、どういった預け方が飼い主さんとペットにとって最適であるのか、いくつかの特徴、注意点などを探っていきたいと思います。

ペットホテルと知人、どちらが良いか

 「留守中、病院や単独のペットホテルに預けるのがいいか、知人に預けるのがいいのかと相談されることが時々あります」と、オリーブ動物病院(東京都国分寺市)の院長、有薗浩見(ありぞのひろみ)先生。留守中のペットの預け先については、このようにアドバイスしています。「これはペットの性格によって判断するのが一番です。ただし、そういった質問をされる飼い主さんの場合、ペットがやや神経質な性格であるために心配されていることが多いようです。もしペット共に親しい知人に自宅に来てもらって面倒をみて貰えるなら、それがペットにとって最もストレスが少なく、望ましい方法ですよとお答えしています。」

 やはり動物にとって、知らない場所に預けられることは大きなストレスです。そのため友人知人に預ける場合も、アウェイよりホームで、ということになります。しかしその際も、人間同士だけではなく、留守を預かってくれる人とペットも互いに知り合っていることが必要です。知らない人が自宅に入って来ればペットも警戒し、場合によっては攻撃態勢を取るかもしれません。

 一方、他人と同席しない自家用車での移動でも危険はあります。例えば、ペットを車内に残したまま、飼い主さんがうっかりコンビニやサービスエリアに長時間入ってしまうような場合です。例え春先でも、締め切った車内に日が当たっているなら30分から1時間くらいで衰弱したり、時には死に至ります。短時間だからと油断せず、車内の置き去りには気を付けなければいけません。

病院やペットホテルでのストレスと利点

 ペットにとっては、何度か預けられたことがある馴染みのペットホテルでも、数か月単位の間が空けば再び知らない場所だという認識となり、毎回ストレスを受けます。特に、犬よりも猫のほうが知らない場所に預けられることへのストレス度が高く、初日は多くの猫が警戒してケージから出てこないようです。

 一方、病院やペットホテルで安心な点は、預けている時にペットの体調が悪くなっても診察してもらえること。病院併設でない単独のペットホテルであってもそういった事態に備えて動物病院と連携しています。また、宿泊中にトリミングや爪きりなどの依頼もしておけます。

 散歩や食事、その他のリクエストについても伝えておくことができます。オリーブ動物病院でも「ペットの食事も飼い主さんのこだわりがあるため、すべて持ってきて頂いています。必要な回数ぶんを小分けにして飼い主さんからお預かりし、冷凍して1回ずつ解凍して出しています」とのこと。

 同院では散歩についても同様にリクエストに答える形を取っており、散歩中の逃走を避けるために屋内運動場を作って、宿泊中は外ではなくそこで散歩をさせています。個々のリクエストにどこまで答えて貰えるか、どういった設備があるかはそれぞれ異なるため、利用者や近所の口コミなどで評判が良く、信頼できる施設をしっかり選ぶことが決め手となるでしょう。

 病院併設であれば、普段の診察ですでにペットのことをよく知って貰っている利点があります。またペットホテルは預けることに特化しているぶん、設備的にも広いドックランがあったり、飼い主さんへの報告や画像送付など、より細やかなサービスを提供できる強みがあるかもしれません。

病院やペットホテルに預ける前の注意点

 預ける際の基本準備として、有薗先生は「ノミ、ダニを予防薬などで駆除しておくこと、必要なワクチン接種をして感染予防をしておくことです」と語っています。また、「預ける前にペットの体調を確認し、体調不良の時は極力避けておきましょう」とも勧めています。

 もし具合が悪い場合は、その状況を病院やペットホテルにきちんと伝えておくことが重要です。それとは反対に、預ける時には体調が良くても、預けられたストレスで帰宅後に吐いたり下痢をしたりと不調になることもあるので、帰宅後もしばらくは注意が必要です。

ペットシッターに依頼する場合

 猫は場所見知りが犬よりひどい傾向があることで、ペットシッターに依頼する飼い主さんも多いかもしれません。この場合も、利用者の方に体験談を聞いてみたり、事前にシッターさんとよく打ち合わせをし、適任者であるかどうかを見極める必要があります。何より、他人が自宅に入ることにもなるため、貴重品を置いていかないようにするなど、ペットホテルや友人知人への依頼の場合とはまた違った注意も必要です。

 ペットに事前に会ってもらい、扱いが上手な人かどうかを見ることや、保険の有無など気になる点はもれなく聞いておくことが成功の鍵のようです。

 預け方の選択はペットの性格に大きく左右されます。自分のペットに合う方法を飼い主さんがよく検討し、最善の施設・人物を見つけることで、100%とはいかないまでも、かなりのストレス軽減が図れるのではないでしょうか。

取材協力:オリーブ動物病院(東京都国分寺市)http://www.olive-ah.com/index.htm


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