フィラリア症は、月に1回、予防薬の投与してさえしていれば防げる感染症です。
しかし残念なことに、保護犬の場合、保護時にすでに感染してしまっていることが多いのが実情です。
2019年2月に迎えた我が家の犬も、保護されたときすでにフィラリア「強陽性」で治療が必要な状態でした。
フィラリア症は、フィラリアという寄生虫が犬の体内に寄生することで、心臓や肺動脈に機能障害が起こります。
感染している犬から感染していない犬へ、蚊が媒介して広がっていきます。
心臓や肺の機能が低下し、最悪の場合、死に至ることもある。
犬にとって、恐ろしい感染症です。
フィラリア症の治療
フィラリア症の治療には、大きく分けて2つの方法があります。
《1》特殊な器具を使ってフィラリアを心臓から引っ張り出す手術
《2》投薬
我が家は、獣医師と相談の結果、投薬治療を選びました。
まず、毎月フィラリア成虫の駆虫薬を投与することを2019年2月~2020年4月までの1年2か月続けました。
再度、フィラリア検査をしましたが、結果は”強”が取れたものの「陽性」のまま。
フィラリア症の治療には、3~4年かかるとも言われています。
長期戦になることは覚悟していたものの、何か他に方法がないか調べたところ「ボルバキア治療」があることを知りました。
ボルバキア治療とは
フィラリアの体内にはボルバキアと言う細菌が共生していて、この菌を駆除するとフィラリアも駆除出来ることを利用した治療法です。再度先生に相談し、今度はボルバキア治療を採用することにしました。
*2020年4月:1か月間ボルバキア治療の内服薬を投与(朝晩2回)
*その後、半年ほど経過観察。
*2020年9月:3回目のフィラリア検査をした結果「微陽性」
*再度、ボルバキア治療のための内服薬を1か月投与(朝晩2回)
*再度、経過観察
*2021年3月:4回目のフィラリア検査をしたところ「陰性」に転じていました。
治療スタートから2年かかっての陰転でした。
フィラリア症治療中は、心臓や肺に負担がかかるため、運動の制限が必要です。
幸い我が家の場合は、ドッグランで走る程度の運動をしても体調に変化が見られませんでしたが、犬によっては、すぐに息切れしてしまったり、運動中に倒れてしまう犬もいますの要注意期間でもあります。
若い犬であれば広いドッグランで走ったり他の犬と遊んだりしたいところを、あまり走らないように制限することは、犬はもちろん飼い主にも辛いことです。
そして、ボルバキア治療について、ご存じない獣医師もいらっしゃることを知りました。
我が家でも保護当時に診察していただいた先生は、ボルバキア治療をご存知ありませんでした。
セカンドオピニオンの獣医師にそのことを告げると、
「山間部等に近い病院で、フィラリア症の犬を診る機会の多い先生でないと知らない場合もある」のだそうです。
また、同じ時期に友人の愛犬もボルバキア治療を採用していましたが、これまでの病気の遍歴から身体への負担が大きかったため、途中で取りやめた例もあります。
前述のボルバキア治療をご存知なかった先生が良い悪いではなく、愛犬の病気の治療については、飼い主の情報収集とその子に合ったよりよい治療を採用する判断が必須であると改めて感じた出来事でした。
フィラリア症の恐ろしいところは、陰性になったとしてもそれまでに受けた心臓、肺へのダメージは残るということです。
これまでに受けたダメージが、後々何かの病気の時に悪さをする可能性もあるわけです。
日々の体調管理はもちろん、定期的に愛犬の健康診断を行うなど、飼い主にしかできないことをしっかり行っていきたいものですね。