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雪道の馬はどう歩く?蹄の仕組みと冬の安全対策|乗馬インストラクターが解説

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。今回は雪の中での馬の話です。

雪の中、犬と散歩しているとき。
ふと「馬って、雪道をどう歩いているんだろう」と感じたことはありませんか?

馬と生きる私たちにとっては当たり前の光景でも、意外と知られていないのが、馬の“雪道事情”です。
細い脚に大きな体、そして固い蹄。犬や猫と違って、馬は雪の上を歩くのが得意そうには見えません。けれど実際には、雪が降る地域でも、馬たちは日常の中でしっかりと暮らしています。

では、どんな工夫があるのでしょうか。
馬自身のバランス感覚、人の知恵、そして季節ならではの管理のポイントをご紹介します。

蹄は雪に強い?弱い?

馬の足元にある「蹄(ひづめ)」は、地面に直接接する部分です。犬や猫のように柔らかい肉球や爪ではなく、硬くてツルンとした構造をしており、いわば“固い靴底”で地面を踏みしめているようなイメージです。

乾いた地面では安定しますが、雪や氷の上では意外と滑りやすくなります。特に凍結したアスファルトなどでは、馬もツルッと足を取られてしまうことがあります。
そのため、雪国で馬と暮らすには、人の手による環境づくりと工夫が欠かせません。

雪道での安全対策

まず、馬場や通路にはこまめな除雪を行い、蹄が滑りにくい状態を整えます。地面にはおが粉や砂を敷くことで、蹄がしっかりと沈み込むようにし、安定感を出します。ふわふわした雪のままでは転倒のリスクがあるため、適度な硬さとグリップ感が大切です。

もうひとつ重要なのが「装蹄(そうてい)」と呼ばれる、馬に履かせる“蹄鉄”の管理です。
冬の装蹄では、雪が蹄の裏に詰まらないようにするパッドや、滑り止め効果のある素材を使うなど、まさに“冬用タイヤ”のような対応を行います。馬の安全な歩行は、こうした細かな工夫の積み重ねで支えられています。

馬自身のバランス感覚

さらに注目したいのが、馬自身の“慣れ”です。雪道に慣れている馬は、足元をよく見ながら、丁寧にバランスを取って歩きます。前脚と後脚のタイミングを少しずらしたり、肩の幅を広めにとって着地したりと、自然と滑りにくい身体の使い方を身につけているのです。

一方で、雪道が初めての馬は最初こそ戸惑いますが、何度か経験するうちに自分なりの感覚を掴んでいきます。人と同じように、経験が馬の動きを変えていくのはとても興味深いことです。

雪の日も、いつも通りに

雪の日の厩舎では、朝の除雪から一日が始まります。水桶の氷を割り、馬場の状態を確認し、その日の運動内容を調整します。冬は手間もかかりますが、そのぶん馬たちがたくましく過ごす姿には、特別な美しさがあります。

真っ白な景色の中で、鼻から白い息を出しながら、じっと立つ馬。
雪の上でも変わらず人と向き合い、ゆっくりと歩く馬。
そんな日常のひとコマが、冬の馬との暮らしにあたたかさを添えてくれます。

 

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