吉川奈美紀

犬の食習慣・猫の食習慣を理解しよう!

私たち動物全てが健康に過ごすために、適切な食事(栄養)管理が欠かせません。
愛犬や愛猫の食事(栄養)管理を行ううえで、理解しておいて欲しいことがあります。

それは、
・犬=雑食
・猫=肉食
であるということです。

その違いが食事を食べさせる方法や代謝方法の違いに現れます。
そのため、それぞれの食習慣の違いを知ることで、犬や猫に正しく健康的な食事を与えることができるようになります。
早速、それぞれの違いについてお話していきます。

犬の食習慣とは?

・犬は群れで狩りをします
・肉食の強い雑食動物
・自分より大きな草食動物を捕まえ、一度の狩りで群れ全体の食料を確保します
 獲物を捕まえると真っ先に内臓とその内容物(未消化物や便など)を食べ、次に皮や筋肉を食べます。
・群れ全体で同じ獲物を食べるため、急いでガツガツ食べます
・飲み込める大きさに食いちぎり数回咀嚼して飲み込みため→大量の胃酸を分泌するようになっている
・いつも獲物を捕らえられるわけではないため、一度でたくさん食べれるように→胃を大きく拡張することができる

こうして犬の食習慣を知ると気づくことがあります。
・大量の胃酸を分泌するから → 空腹で胃液を吐き戻すことがある
・胃が大きく拡張するから → 食後の激しい運動で胃捻転を起こしやすい
              → 一度に急いで食べすぎて吐きもどしすることがある

気づいたことで、
・食事の回数を増やして胃酸による嘔吐や胸やけを防ごう
・一気に食べないようにフードや食器を工夫しよう
・肉だけではなく、草食動物が食べるような野菜も一緒に与えよう

などと考えることができます。

猫の食習慣とは?

・猫は単独で狩りをします
・完全な肉食動物です
・主な獲物は「ネズミ」「鳥」「昆虫」です
 ネズミ1匹は猫が1日に摂取必要なカロリーの約1/10のため、猫は1日に10回以上ネズミを捕まえる必要があります
・魚の味を好む猫ですが、野性の状態では魚を捕まえることはほとんどありません
・生後6ヶ月までに口にしたものしか食べたがらない傾向がある
・水を飲む習慣が乏しく、主に水分は食べ物から摂取する

こうして猫の食習慣を知ると気づくことがあります。
・置きっぱなしのドライフードを少量ずつ何回にも分けて食べる理由が食習慣にある
・魚類を摂取しすぎるとその含有成分(マグネシウムとリン)から下部尿路疾患を起こしやすくなる
・将来、食事療法が必要になった時、食べられないものが多いと治療ができなくなる
・ドライフードだけでは水分摂取が少なくなり尿量が減少し下部尿路疾患のリスクが高くなる

気づいたことで、
・魚を与える食事が中心になっているときは、栄養素的に偏ってしまうため、不足している栄養素を添加する
・子猫のうちにできるだけいろんなフードや食べ物を食べさせる
・ウェットフードを合わせて与えたり、フードの表示を確認して結石成分の少ない食事内容にする

食べるもので身体ができていると言っても過言ではなく、全ての動物にとって大切な食事です。
健康状態や年齢、季節や運動量によっても、適切な食べるものや量が変わります。
神経質になるのではなく、こうしたことを常に意識した食事(栄養)管理ができるようになれたらいいと思いますよね。

犬と猫のペットフードの話

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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