障害馬術
障害馬術は、アリーナに設置された様々な大きさの障害物を決められた順番に飛越し走行します。
障害物に馬が肢をぶつけてバーを落下させたり、馬が飛ぶのを拒否したりなどすると減点され、ミスなく規定タイム内にゴールし、タイムが早い人馬で順位が決まります。
障害物の大きさは、オリンピックでは最大高さ160cm、幅は200cmにもなります。
障害のコースは競技の前に下見をすることができ、地上を選手は歩きながら、障害間の距離を測ったり、コース取りを確認します。
障害から障害までの距離によって、騎手は馬の完歩(歩幅)や飛越の踏切の位置にぴったりと馬を誘導することによって息のあったジャンプをします。
出場資格は、9歳以上の馬と決められています。
【 服装 】
乗らんと呼ばれるジャケットと白いキュロット(乗馬パンツ)にヘルメットです。
オリンピックなどの国際試合では黒や紺だけでなく赤い乗らんも見られます。
総合馬術
総合馬術は、馬術のトライアスロンとも言われる過酷な競技です。
馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術を3日間かけて行い、すべて減点方式で採点され減点の少ない人馬が1位となります。
3種目を3日かけて行います。
《 初日 》 … 馬場馬術(調教審査)
《 2日目 》 … クロスカントリー(耐久審査)
《 3日目 》 … 障害馬術(余力審査)
3種目を同じ人馬のコンビで行う為、馬のコンディションを良い状態に保つようケアすることが重要となります。
総合的なテクニック・体力・精神力を問われる競技です。
メインとなるクロスカントリーは、約6㎞ほどの自然を生かした地形に、竹柵・生垣・水壕など40を超える障害物が設置されています。
スピード時速30㎞以上となり、10分程度で駆け抜けていく迫力満点の競技です。
コースは、距離が短くて障害物の数が多いダイレクトルートと障害物の数は少ないが距離が長く時間がかかるロングルートが設定されています。
騎手が愛馬の状態や得意不得意で選ぶことができます。
【 服装 】
クロスカントリーの際は、バックガード(プロティクティブベスト:落馬時の危険防止の為)の着用が義務付けられています。
日本人唯一のオリンピックメダリスト「西竹一&ウラヌス号」
(写真:近現代PL/アフロより)http://www.monjusha.co.jp/
オリンピック馬術競技において、日本人唯一のメダリストである西竹一さんと愛馬ウラヌス号。
1932年のロサンゼルスオリンピック大障害飛越競技で金メダルを獲得しました。
日本だけでなくアメリカでも人気者となりロサンゼルス名誉市民になっています。
1944年に陸軍中佐として硫黄島への動員が命ぜられました。
硫黄島へ赴く前、馬事公苑で余生を送っていたウラヌスに会いに行ったそうです。
その後、西竹一中佐は、硫黄島で戦死しました。
死ぬ時まで、愛馬ウラヌスのたてがみを身に着けていたといわれ、のちにそのたてがみが発見されています。
西竹一中佐の戦死から1週間後、そのあとを追うようにウラヌスも亡くなったそうです。
東京オリンピック、世界トップレベルの人馬の演技や走行、ぜひ間近に見て応援したいですね!