これまで2回にわたり、フィラリア症の予防や治療についてお話ししてきました。
もちろん一番大切なのは、毎月忘れずに予防薬を投与することです。
そのうえで、毎日の食事やスキンシップによって愛犬の健康維持をサポートすることも、元気に暮らすための大切な習慣です。
今回ご紹介する薬膳ごはんやツボマッサージは病気を治療するものではありませんが、健康な体づくりや日々のコンディション管理を目的としたケアとして取り入れていただけます。
持病がある場合や療法食を食べている場合は、必ずかかりつけの獣医師へ相談したうえで取り入れてください。
愛犬とのスキンシップにも。やさしいツボマッサージ
薬膳では、毎日の食事だけでなく、体の巡りを整えることも健康づくりの一つと考えられています。
ここでご紹介するツボマッサージは、病気を治療するものではなく、健康維持やリラックスを目的としたセルフケアです。愛犬の様子を見ながら、無理のない範囲で優しく行ってあげましょう。
〈マッサージを行う際のポイント〉
- 数秒程度でも十分です。長時間続けたり、強く刺激したりする必要はありません。
- 犬には人のような「痛気持ちいい」という感覚はありません。力を入れず、やさしくなでるような強さを心がけましょう。
- 痛がる様子や嫌がる様子が見られた場合は、すぐに中止してください。
- 心臓病などの持病がある場合は、事前にかかりつけの獣医師へ相談することをおすすめします。
肺と心臓の巡りをサポートするマッサージ

東洋医学では、肩甲骨の間には心臓や肺に関係すると考えられているツボが並んでいるとされています。
写真のように両手で肩をそっと包み込み、背骨を避けながら、両側を親指でゆっくり上下になでるようにマッサージしてあげましょう。
愛犬とのコミュニケーションを深めながら行うことで、リラックスタイムとしてもおすすめです。
「豊隆(ほうりゅう)」のツボ

豊隆(ほうりゅう)は、後ろ足の外側、膝と外くるぶしを結んだ中間あたりにあるツボです。
東洋医学では、体内にたまった余分な水分や「痰湿(たんしつ)」の巡りを整えるツボとして知られています。
梅雨時や湿気が多い季節、体が重そうに感じるときなどの健康管理にも取り入れられています。
指先で軽く触れながら、前後にゆっくりとなでるように刺激してあげましょう。
脇腹のマッサージ

豊隆のツボとあわせておすすめしたいのが、肋骨まわりを優しくほぐすマッサージです。
東洋医学では、胸や脇腹まわりの巡りを整えることで、余分な水分の排出をサポートすると考えられています。
写真の矢印の方向に沿って、肋骨に沿うようにやさしくなでてあげましょう。
肋骨は強い力が加わると負担がかかるため、「触れるような力加減」を意識することが大切です。
なお、腹水がたまっている犬や心臓病などで治療中の犬は、必ず獣医師に相談してから行ってください。
ワンコ薬膳レシピ紹介
ハートに優しく「イワシのツミレの心臓サポートご飯」

材料(10kg成犬1食分)
イワシ…65g
卵…半個
炊いたご飯…50g
トマト…13g
ピーマン…13g
ニンジン…12g
サツマイモ…12g
※手作りご飯の分量の目安は下記URLの「ワンコの手作りご飯の換算指数表」を目安に年齢、体重、その日の様子で調整してください。
https://goron.co/archives/16671
※写真は具材が分かりやすい様に大きめに切ってあります。
※イワシはツミレにしなくても大丈夫です。
作り方
1.イワシをツミレにする場合は手開きにし、内臓、背骨、皮を取り除く。
(小骨は砕くのであっても大丈夫です)
2.卵を加え、ハードプロセッサーやすり鉢でミンチにする。
3.野菜は皮や種を取り除く。
(サツマイモも皮を剥いてください)
4.野菜は全て細かく切る。
5.サツマイモ、ニンジン、ピーマンは茹でこぼす。
〈茹でこぼし〉
サツマイモ、ニンジンをたっぷりの水で煮て、沸騰したら1分程加熱し、ピーマンを加えて20秒程加熱し、煮汁を捨てて下さい。
(トマトは茹でこぼしの必要はありません)
6.お鍋に具材がしっかり泳ぐくらいのお水を入れ、サツマイモ、ニンジンを入れて火にかけます。
7.火が通ったら②でミンチにしたイワシをスプーンで掬ったり、丸めてお鍋に入れ、更に加熱します。
トマトも一緒に入れます。
8.イワシに火が通ったらピーマンとご飯を入れ、一煮立ちさせます。
9.火を止め、冷ましてトマトの皮を取り除いて盛り付けたら出来上がり。
薬膳豆知識 食材の効能
イワシ
・薬膳では
イワシは「血(けつ)」と「気(き)」を補い、巡りを整える食材とされています。疲れやすいときや、体力を維持したいときの食材として古くから親しまれてきました。
・栄養学では
EPA・DHA・タウリンを豊富に含み、心臓や血管の健康維持をサポートする栄養素が多く含まれています。また、良質なたんぱく質も豊富で、筋肉や体の組織づくりにも役立ちます。
卵
・薬膳では
卵は体に潤いを与い、乾燥しやすい体質をやさしく整える食材とされています。また、「血」を補う働きがあるとされ、体力の回復や健康維持にも用いられてきました。
・栄養学では
良質なたんぱく質に加え、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンB群などをバランスよく含む、栄養価の高い食材です。皮膚や被毛、筋肉の健康維持にも役立ちます。
白米
・薬膳では
白米は胃腸の働きを助け、「気」を補う代表的な食材です。消化吸収に優れ、体力を維持したいときや胃腸が弱っているときにも取り入れやすいとされています。
・栄養学では
炭水化物を豊富に含み、犬にとって活動のエネルギー源となります。消化しやすいため、手作りごはんにもよく使われています。犬は玄米の消化が得意ではないため、白米がおすすめです。
トマト
・薬膳では
トマトは体にこもった余分な熱を冷まし、潤いを補う食材とされています。暑い季節や熱がこもりやすい体質の犬にも取り入れやすい食材です。
・栄養学では
リコピンやビタミンC、カリウムなどを含み、抗酸化作用が期待されています。細胞の健康維持や夏場の水分補給にも役立つ食材です。
ピーマン
・薬膳では
気や血の巡りを整え、体の巡りをサポートすると考えられています。体内の余分な熱を穏やかに整え、季節の変わり目の健康維持にも役立つとされています。
・栄養学では
ビタミンCやβ-カロテン、ビタミンEなどの抗酸化成分を豊富に含みます。免疫機能や皮膚・被毛の健康維持をサポートする栄養素が含まれています。
にんじん
・薬膳では
にんじんは「血」を補い、肝の働きを整える食材とされています。目の健康や体力維持を目的として古くから利用されてきました。
・栄養学では
β-カロテンを豊富に含み、体内でビタミンAに変換されます。皮膚や粘膜、視覚の健康維持に役立つほか、抗酸化作用も期待されています。
さつまいも
・薬膳では
胃腸を元気にし、「気」を補う代表的な食材です。体に潤いを与え、お腹の調子を整える働きも期待されています。
・栄養学では
食物繊維やカリウムを豊富に含みます。カリウムは体内のナトリウムバランスを保つ働きがあり、食物繊維は腸内環境の健康維持に役立ちます。
小珠は、2年程かけてフィラリアを駆虫しました。
しかし、心臓の弁が破壊されてしまっておりましたので駆虫が完了してから3ヶ月程で肺水腫になり、虹の橋を渡りました。
小珠の場合は環境の悪い場所から保護され、推定5歳の生涯の内、殆どの時間がフィラリアに寄生されていたと思いますし、パグ脳炎にも罹患してましたので極端なケースかもしれません。
フィラリアの成虫が1匹でも心臓に居れば健康な体ではいられません。
毎月の予防薬を忘れずに!!
今回のお話がフィラリア予防と、フィラリアに感染してしまったワンコ、感染した保護ワンコをお迎えしたご家族のお役に立てたら幸いです。

「小珠も虹の橋の向こうから願ってるね」






























