こんにちは。「ゆるっとワンコ薬膳のススメ」です。
全国的に梅雨入りし、湿度の高い季節になりました。今年は「しっかり梅雨」になるとも予想されており、体にも負担がかかりやすい時期です。
薬膳では、この時期は体に余分な水分が溜まりやすく、むくみや疲れ、食欲不振などが起こりやすいと考えられています。体を冷やしすぎず、余分な水分を排出できるよう、毎日の食事や生活を少し意識してあげましょう。
そして、この季節に忘れてはいけないのが「蚊」です。
近年は春先から気温が高くなる年も多く、蚊の活動期間も長くなる傾向があります。蚊は人にとっても厄介な存在ですが、犬にとっては命に関わる病気「フィラリア症」を運ぶ存在でもあります。
「毎年予防薬は飲ませているけれど、実は詳しく知らない」
「室内犬だから大丈夫なのでは?」
そう思われている飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
今回は、先々代ワンコ薬膳アシスタントであり、重度のフィラリア症を抱えた元保護犬小珠との暮らしを通して学んだことを交えながら、フィラリア症についてお話しします。
今年は蚊が多い!?油断できないフィラリアの季節
「皆さん、お久しぶり!虹の橋から登場だよ」
犬のフィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫感染症です。
そのため、蚊が活動する季節には毎年必ず予防が必要になります。
「うちは散歩時間が短いから」
「家の中で暮らしているから」
そんな場合でも安心はできません。
蚊は玄関や窓の開閉時など、ほんのわずかな隙間から室内へ入ってきます。
一度刺されるだけでも感染する可能性があるため、生活環境に関係なく予防することが大切です。
フィラリアとはどんな寄生虫?
フィラリアは正式には犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)と呼ばれる寄生虫です。
そうめんのように細長い姿をしており、成虫になると20~30cmほどまで成長します。
感染した蚊が犬を吸血すると、フィラリアの幼虫が体内へ入り、数か月かけて成長しながら血管を移動します。
やがて心臓や肺動脈に寄生し、そこでさらに成長して繁殖を始めます。
成虫になったフィラリアは「ミクロフィラリア」と呼ばれる幼虫を産み、その犬を吸血した蚊が別の犬へ運ぶことで感染が広がっていきます。
フィラリア症になると体の中で何が起こる?
フィラリアは単に寄生するだけではありません。
心臓や肺につながる血管の中で生活するため、血液の流れを妨げ、心臓へ大きな負担をかけます。
さらに、成虫が動くたびに血管を傷つけて炎症を起こし、心不全の原因となることもあります。
また、寿命を迎えたフィラリアが死ぬと、その体が肺の細い血管に詰まり、呼吸障害や肺高血圧症など深刻な症状につながることがあります。
つまり、一度感染すると、犬の体には少しずつ、しかし確実にダメージが積み重なっていくのです。
元保護犬・小珠が教えてくれたこと
小珠は重度のフィラリア症を抱えた状態で保護され、私たち家族のもとへやってきました。
検査では、心臓に多くのフィラリアが寄生していることが分かり、すでに心臓の弁にも大きなダメージが残っていました。
当時の私は、「今は医療も進歩しているし、治療すれば元気になるだろう」と考えていました。
しかし、現実はそう簡単ではありませんでした。
フィラリア症は予防が確立されている病気だからこそ、重症例自体が少なくなっています。
そのため、重度のフィラリア症に対する手術を経験した獣医師は決して多くありません。
治療法はありますが、犬への負担も大きく、決して簡単なものではないことを知りました。
小珠は幸い別の治療法が功を奏し、手術を受けずに済みましたが、この経験から私が強く感じたのは、「感染してから治す」よりも、「感染しないこと」が何よりも大切だということです。
フィラリアは「予防」が何より大切
現在のフィラリア予防薬は、体内に侵入した幼虫を駆除し、成虫になる前に感染を防ぐためのお薬です。
毎月きちんと投与することで、高い予防効果が期待できます。
「薬はなるべく飲ませたくない」
「うちの子は室内犬だから大丈夫」
そう考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、一度フィラリアが心臓に寄生すると、その後の治療は犬にとっても大きな負担になります。
だからこそ、毎月の予防薬は愛犬へのやさしさそのものなのです。
小珠が私たちに教えてくれたことを、一頭でも多くのワンちゃんと飼い主さんに伝えたい。
それが、このお話を書こうと思った理由です。
次回は、小珠が実際に受けた治療や、近年注目されているボルバキア治療について、体験談を交えながらご紹介します。






























