ペットと暮らす人も他人事ではないSFTS(重症熱性血小板減少症候群)
2025年春、日本国内で初めて「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」の ヒトからヒトへの感染が確認されました。
国立健康危機管理研究機構(旧・国立感染症研究所など)
「本邦で初めて確認された重症熱性血小板減少症候群のヒト-ヒト感染症例」
→ 公的速報(IASR)として報告されています。 感染症情報提供サイト
URL: https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/45/530/article/110/index.html 感染症情報提供サイト厚生労働省 会見概要
秋葉副大臣会見で、「国内初の症例」に触れている内容があります(ただし「ヒト→ヒト感染」の確認についてどこまで言及しているかは本文を精査する必要があります)。 厚生労働省
これまでSFTSは、主に マダニに刺されることで感染すると考えられてきましたが、人の血液や体液を介して 人同士でも感染する可能性があることが、公式に確認されたのです。
SFTSは自然環境に生息するマダニが媒介しますが、犬や猫などの ペットにもマダニが付着することがあり、そこから人に感染するケースも報告されています。
そのため、ペットと暮らす私たち飼い主も決して無関係ではありません。特に屋外で活動する犬や外に出る猫を飼っている方は注意が必要です。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とはどんな病気?
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病原体:SFTSウイルス(ブニヤウイルス科)
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潜伏期間:6日~2週間ほど
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主な症状:突然の高熱、強い倦怠感、食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛など
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重症化すると:血小板や白血球が減少し、出血傾向や多臓器不全を起こし、死亡する場合もあります(致死率は10〜30%とされる)
現在、特効薬はなく、主に対症療法での治療になりますが、日本では近年、治療薬候補として「ファビピラビル」が承認されました。
それでも早期発見・早期治療が何よりも重要です。
ペットから人にうつるリスク
SFTSは人同士の感染はまれですが、動物から人への感染は複数報告されています。
特に、発症した犬や猫の血液や体液との接触で感染した事例が知られています。
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ペットが屋外でマダニに刺される
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ペットが感染して発症(発熱、元気消失、食欲不振、出血など)
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飼い主が看病や介護中に血液や唾液などに触れて感染
SFTSウイルスは 健康な見た目のペットにも潜んでいる可能性があり、発症していなくてもウイルスを保有している場合があります。
そのため、「うちの子は元気だから大丈夫」と過信せず、日頃からマダニ予防と接触時の衛生管理を徹底することが大切です。
マダニ対策が何より重要
ペットと飼い主を守るために、以下の対策を行いましょう。
■ 屋外に出る前後のチェック
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草むらや山道など、マダニが多い場所を避ける
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長袖・長ズボン・帽子・首タオルなど肌の露出を減らす
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ペットを散歩させる際は草むらに入らせないようにする
■ 帰宅後の体チェック
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ペットの耳・首・わきの下・足の付け根などを重点的に点検
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ブラッシングやシャンプーでマダニを落とす
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自分自身も衣服・髪・肌を確認し、入浴して洗い流す
■ 定期的な予防薬の使用
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動物病院で処方される **マダニ予防薬(スポットタイプや内服薬)**を継続使用する
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市販のペット用虫よけスプレーや首輪も併用すると効果的
体調異変があればすぐ受診
ペットが
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元気がない
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高熱がある
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食欲が落ちている
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出血(鼻血、血便、血尿など)が見られる
といった症状を示したら、すぐに動物病院を受診してください。
また、飼い主自身や家族が
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高熱
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倦怠感
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吐き気や下痢
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出血傾向(歯ぐき出血、鼻血など)
といった症状を示した場合は、必ず医療機関を受診し、「ペットと接している」「マダニに刺された可能性がある」と医師に伝えましょう。
飼い主が気を付けるべき衛生習慣
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発症している可能性があるペットに素手で触れない
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ペットの体液(血液、唾液、嘔吐物など)に触れたときはすぐに手洗い・消毒
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看病の際は手袋・マスク・ゴーグル・長袖などを着用
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ペットが亡くなった場合も体液に触れないよう十分注意
まとめ:正しい知識と予防で守れる命
SFTSはまだ発生件数は多くありませんが、致死率が高く、確立された治療法がない危険な感染症です。
今回、国内で初めてヒトからヒトへの感染が確認されたことで、今後は 医療従事者だけでなく、ペットの飼い主も感染防止意識を高める必要があるといえます。
愛する家族である犬や猫を守ることは、飼い主自身や家族の命を守ることにもつながります。
日頃からマダニ対策を徹底し、ペットと人の健康を守っていきましょう。
































