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鳥猟犬をたすけるために

第7回 「ルールの認識不足が事故を生む。」

    金子理絵 コンパニオンアニマルクラブ市川代表


ルールの認識不足が事故を生む

-「噛まれた事件」のときはどんな話し合いをされたのですか-

 その時というのは、やはり認識不足が原因だったんですね。やってはいけないルールが必ずあるんです。そのルールを犯してしまう、またはある一定のラインを一歩でも超えてしまうときに事故がおきてしまいます。

 本当にその子が触られることを求めていて、触っていたのか考えなくてはいけません。そうじゃないときにやったらもちろん犬は嫌がります。ワンちゃんたちの中にも一定の距離を持ちたがるワンちゃんというのがいます。たとえば、ゲージはワンちゃんのテリトリー、お城です。ですから、ここに半身を入れてしまうことをすごく拒む子もいるわけです。「ここは自分のところだから入ってこないでよ」って。この子たちはそれを目や態度で表しているわけですが、それに私たちが気がつかないという場合もあります。

 その時にやっぱり事故がおきます。私達は飼い主ではありません。しかし、それを飼い主と勘違いしてしまい、ただ可愛がってしまう。抱きしめてしまう。でもそれではいけないのです。ボランティアさんの第一歩というのは、みんなその意識の転換からなんです。自分は飼い主ではないということは、一回目ではわからないんです。

 最初は誰しも、こういう風に閉じこめられて生活させられていてかわいそうと思うんですよね。でも、センターから出て殺処分にならないだけこの子たちは幸せです。あんなにたくさんいる中から選ばれて、生きるということを与えられて。ここへ来たら、幸せを約束されているわけです。でもボランティアをしてなお、かわいそうと言う人も多いんです。それは、私は違うと思っています。あのセンターの中にいる子たちの方がどれだけかわいそうか分からないくらいです。

 

危険を覚悟の上での活動

-ボランティアの方が噛まれてしまったら、親御さんなどから説明を求められたりするのでしょうか。-

 最初のうちは噛まれるような事故はなかったんです。本当に普通の保護活動で、来たワンちゃんをお世話して里子にだすということだけでした。でも何かおかしい、これではいけないと判断した場合には承諾書を書いていただくようにしました。

 私は自分でこの活動をはじめたときから、いつも危険と隣り合わせであることを自覚しています。捕獲をするときなどはとくにそうですが、それは覚悟の上です。ですから、その覚悟はたとえボランティアの方であっても必要だと思っています。

 方法としては、噛まれないお世話の仕方をお伝えして、それ以上のことをしてしまわないようにお願いしています。「そこのラインは、ここまでにしておいてね、ここから先はやっちゃいけない」ということを必ず伝えています。そのラインを超えてしまったときに事故が起こるので、みなさんも噛まれてしまったときには、「あっライン超しちゃった」ということに自分で気がつきます。

 あとはボランティア保険に加入していただいています。その保険というのがとてもよくて、ボランティアに来るまでの通勤中に転んで怪我をした場合にも保障がつきます。しっかりとこういった保障をつけてやっていくことが必要ですよね。これからは、ただ参加していますではダメで、PTAにもちゃんと保険があるようにボランティアにも保険がちゃんとないといけないと思います。


責任をともなうボランティア活動

-今は行政の代わりをやるようなボランティアや、事業化といったものもあります。金子さんの活動のように危険がつきまとうものもありますし、ボランティアとはいえ責任を持たなければいけないことはありますからね。-

 そうですよね。空き缶拾いならば、そこまでどうかとは思いますが、やっぱり生き物ですし、そこの認識を誤ってしまう人もいて、人間と動物を同等に見てしまいます。家族の一員、コンパニオンアニマルといっても、やっぱり彼らは動物です。群れをなし、牙だってあります。どうしても嫌なことをされたときは、言葉にできないので態度でしめすこともあります。彼らは動物なんだということを認識して、理解することがとても大事です。

 その認識ができていないとやはり噛まれてしまいます。だからと言って、噛まれてもいいという覚悟で来て欲しくはありません。噛まれないようにして欲しいわけです。私は、自慢ではありませんが、ほとんど噛まれたことはありません。昨年、噛み噛みワンちゃんが来て、その子が他のボランティアさんを狙ったので、私がそのワンちゃんを抑えようとして噛まれてしまいました。

 でもこれだけ長い間この活動を続けてきて、それが初めて噛まれた経験でした。それだけ無理なことをしない。捕まえるときもこうやってこうしたら捕まえられるということをじっくり考えてシュミレーションした上で、捕まえたらこうするとか、次のことまで考えて行動に移します。

 ですから、本当に噛まれたことがなかったのですが、あの時は集団で世話をすることの大変さがでて、あのようなことになってしまいました。個人で活動していたら、さほど噛まれることもないと思います。やはり集団やボランティアさん達が入ると、ワンちゃんにとっては世話をしてくれる人が入れ替わり立ち替わり変わることになりますから、混乱してしまいますよね。そのことがシェルターの一番の問題なので、どうしたら統一化できるのか、曜日によって大きな変化がないようにするためにどうしたらよいのかを、今、ボランティアさん達一人一人が本当に勉強中です。

連載 『鳥猟犬をたすけるために
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金子理絵(かねこりえ) コンパニオンアニマルクラブ市川代表 筆者写真

 
平成5年度より、千葉県市川市塩浜護岸沿いの捨て犬(三番瀬の犬達)をレスキュー。 平成20年度より千葉県動物愛護センター登録ボランティアとなりイングリッシュ・セッター、ポインターを主にレスキューをしている。

 職業は、歯科衛生士。

掲載:地元タウン紙に連載記事

コンパニオンアニマルクラブ市川ホームページ:http://cac-ichikawa.com/

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