吉川奈美紀

ペットと共に暮らすために考えたいこと 第12回 多頭飼育を考えたとき、知っておきたいこと

ペットと共に暮らすために
考えたいこと

第12回 多頭飼育を考えたとき、知っておきたいこと

    


動物と暮らし、楽しい出来事が増えてゆくと考え始めることが「多頭飼育」
飼い主の勝手な考えですが、
「もう1頭いたら、今いるこの仔も楽しく、喜ぶかも?」
「ひとりで留守番しているときっと寂しいけど、もう1頭いれば寂しくないのではないか?」
こんなことを考えたことがある方が多いのではないでしょうか?
そして、実際多頭飼育をするペット飼育家庭は増えています。
 
どんなことにも表裏一体で存在するのが、メリットとデメリット。
平成23年に環境省が、多頭飼育の現状(都道府県等アンケート)と新聞報道事例をまとめた資料を出しています。
http://www.env.go.jp/council/14animal/y143-17/ref02.pdf
 
多頭飼育によって得るものはたくさんあります。
しかし、頭数が増えるということは、楽しさが大きくなるだけではなく、家の中のスペースや医療費・食費などが頭数分増えるということになります。また、先住犬・猫との相性が合わず、そのストレスが原因で体調を崩す仔もいるでしょう。
増やす前にまず一歩引いて冷静になり、先住犬・猫の性格や習性、そして飼い主である自身の生活スタイル・生活環境などを見極めていくことが大切です。
「多頭飼育」を考えたとき、最も大切なことは、メリットとデメリットを正しくと知り、家族全員で話し合い、先住犬・猫の状況を判断し、環境を整えてから新しい家族を迎えることです。
 
動物も人も楽しく暮らすための「多頭飼育」をするとき、飼い主として最低限知っていきたいことを飼育の組み合わせごとにまとめました。

 

犬と犬の場合


「飼い主と先住犬」「先住犬と後住犬」との関係が重要

犬はもともと群れで生活をしてきた動物なので、犬と猫・猫と猫などの多頭飼育に比べると比較的多頭飼育をしやすいといえます。
犬同士の多頭飼育でポイントになるのは「リーダー」の存在です。
犬にとってリーダーである飼い主が大切にする仲間は、犬も大切にする気持ちがあり、新たにきた犬を仲間として受け入れることができます。
しかし、それは飼い主と先住犬との間にきちんと主従関係ができていることが基本となります。飼い主に甘やかされ群れ(家族)の中で自分がリーダーだと勘違いしていたり、他の犬との関係が上手にできない社会化が不足している犬は、新たにきた犬を攻撃したり、ストレスを抱えてしまうことがあります。

 
***犬同士の多頭飼育を成功させるためのポイント***
○ 飼い主と先住犬の主従関係、飼い主がリーダーである意識をしっかり持ち行動しましょう
○ 先住犬の社会化をする
○ 先住犬を優先させる飼い主の行動

 

猫と猫の場合

本来、単独で行動をする猫に大切なのは「適度の距離感」

犬に絶対的なリーダーの存在があるのに対し、猫同士の間にリーダーは存在しません。猫の上下関係は、時と場合によって上位になったり下位になったり変化をします。
そして、猫は一定の縄張りを守って生活をする動物です。自分のテリトリーが確立していないと落ち着いて暮らせず、ストレスを受けやすい性質でもあります。
実際に、一緒に暮らす猫が増えることで、甘えん坊な仔がクールになったり、その逆に突然甘えるようになったり、性格が変わってしまうこともあります。

 
***猫同士の多頭飼育を成功させるためのポイント***
○ それぞれの猫がひとりになれる環境をつくってあげましょう。
○ 他の猫の匂いに敏感なので、トイレは頭数+1個用意する
○ 無理強いはせず、慣れるまでそれぞれの猫のペースに任せる

 

犬と猫の場合

習性が違う犬と猫、それぞれに無理がない生活空間を整える

群れで行動する社会性が基本の犬、それに対し、猫は単独で行動をする習性が違う動物同士です。
飼い主との関係性も、犬は家族を観察して群れの中で順位をつけリーダーを決めるのに対し、猫は親子関係・姉妹関係・遊び相手、時には赤の他人など状況により変えています。
飼い主に忠実で素直な犬と自由気ままにのんびりマイペースに生活する猫は、それぞれに素敵な魅力があります。しかし、性質に大きな違いがあるので、犬と猫を一緒に飼うためには飼い主さんが両方の性質を理解し、たくさんのことを学び、そして注意をしなくてはいけないことがあります。

 
***犬と猫の多頭飼育を成功させるためのポイント***
○ 犬と猫の居住空間は、可能であれば分けるのがベスト
○ 同じ居住空間であれば、猫が逃げられる高い場所を用意する
○ 食事・トイレ・寝床は、犬と猫とを別々にする
【犬と猫の多頭飼育 体験談】
犬と猫と一緒に暮らす 先住猫「ランプ」メス16歳・後住犬「小梅」メス6歳
http://goron.co/archives/2061

 

愛犬愛猫が1頭だったときは、飼い主と犬・飼い主と猫いう、シンプルな関係が1頭増えることで色々なことが複雑になっていきます。
飼い主さんが積極的に主導していくべきときと、場合によっては、無理強いをせずペット同士に任せ、我慢強く様子を見守ることも必要になります。
多頭飼育で大切なことは、
ペットの様子を丁寧に観察して、変化に気づくこと。そして、全ての愛犬愛猫1頭1頭にたっぷりの愛情を注ぐことです。

 

参考資料:環境省作成パンフレット
「もっと飼いたい?犬や猫の複数頭・多頭飼育を始める前に」
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2305a.html

 

2015年1月30日掲載

 

ペットと共に暮らすために考えたいこと 第11回 犬の咬傷事故における飼い主の法的責任

ペットと共に暮らすために考えたいこと 第13回 猫の完全室内飼育について

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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