アニマルライツ

人と動物が共生する社会のために 第1回 社会のなかで働く犬 ― 身体障害者補助犬―

人と動物が共生する社会のために

第1回 社会のなかで働く犬

    


昔から、犬は人を助ける様々な役割を担ってきました。
番犬、狩猟犬、牧羊犬、護衛犬、ソリ・荷引き犬、海難・山岳救助犬、警察犬、麻薬捜査犬、災害救助犬など、犬は嗅覚や体力などの特性を生かし、人の仕事に協力してきました。
そして、その歴史の中には、人に変わり危険な任務を行う軍用犬として利用されてきた犬がいることを忘れてはなりません。
今日では、ハンディキャップをもつ人の体の一部となって行動をサポートしたり、精神面で人に癒しを与えるセラピー的役割を担う犬たちも多く活躍しています。
 
ここでは、盲導犬、聴導犬、介助犬、セラピー犬について、どのような役割を果たしている犬たちなのかをご紹介します。
しかし、その前に私たち人の社会が定めた法律について、知っておかねばならないことがあります。

 

    身体障害者補助犬法

身体障害者補助犬とは、盲導犬、聴導犬、介助犬の総称です。
補助犬はハンディーキャップをもつ人の生活の中で、様々なサポートをする役割を持つ犬ですが、「犬が苦手な人もいる」「食べ物を扱っているか」などの理由から、店や宿泊施設、交通機関などで補助犬の受入を拒否されることがありました。
そこで、平成14年10月、補助犬使用者が補助犬と共に、多くの施設や交通機関を円滑に利用できるようにし、ハンディーキャップをもつ人の自立と社会参加を促進することを目的とし「身体障害者補助犬法」が施行されました。

 

    身体障害者補助犬法の主な内容

 
●補助犬育成施設は、それぞれの障がい者の状況にあった適切な訓練をしなければならない。
●公共施設や公共交通機関、また、スーパーやレストランなど、不特定多数の方が利用する民間施設等は、補助犬を伴った利用を拒んではならない。
●民間住宅管理者は、居住者が補助犬を使用することを拒まないよう努めなければならない。
●補助犬を同伴するときは、補助犬であるという表示をつけなければならない。また、補助犬の体を清潔に保つとともに、予防接種及び検診を受けさせることにより、周りに迷惑をかけないようにしなければならない。
●国及び地方公共団体は、補助犬が果たす役割の重要性について国民の理解を深めるよう努めなければならない。
 

この他、様々な内容が定められており、それぞれの立場で果たすべき役割を明確にすることで、お互いに理解し合い補助犬とその使用者の受け入れが円滑に進むことをこの法律は目指しています。
平成19年には法律の一部が改正され、都道府県・政令市・中核市に補助犬使用者や受入側施設からの苦情や相談の申し出があったとき、必要な助言や指導を行う他、場合によっては関係行政機関を紹介する役割を担う相談窓口が設けられました。
また、一定規模以上(従業員56名以上)の民間企業に勤務する身体障がい者が補助犬を使用することを拒んではならないという内容もこの改正により新たに加わりました。
 
このような法の整備が進められるとともに、人々の考えや認識のも変化がおこりつつあることを感じます。
 

補助犬ステッカー 補助犬ステッカー 補助犬ステッカー 

 
近年、補助犬を同伴して利用できることを示すステッカーが、多くの店舗・飲食店・宿泊施設・その他公共施設の入口などに貼られているのを多く見かけます。
福岡市の中心部天神のメインストリートには、「盲導犬専用トイレ」が設置されていました。
さらに、社会的認知や補助犬への理解・協力が進みますように。

福岡天神にある盲導犬専用トイレ

ほじょ犬のホームページ(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/hojyoken/
 

[goron_pagenavi]
[Addlink_Matome twitter_text=”「ペットと共に暮らすために考えたいこと 第9回 迷い犬、迷い猫を保護したら」”]
[Addlink_Pagetop]

 

 

 GORON 吉川奈美紀 

goron

投稿者の記事一覧

GORON スタッフ

関連記事

  1. 動物取扱業の適正化についての動き ~ペットとわたしたちの世界~
  2. 秋のおでかけに、GORONがおすすめする < 動物愛護週間のイベ…
  3. 鳥猟犬をたすけるために 第9回 多くの犬とのめぐりあい
  4. 犬と人が共に笑顔で暮らすために ~ドッグトレーニングチーム do…
  5. 犬と楽しく暮らすためのトレーニング 第4回 犬と楽しく暮らすため…
  6. 保護した子犬、ペットショップの仔犬 「幼犬期の環境」
  7. イギリスとスイスの動物事情 第1回 イギリス・スイス、そして日本…
  8. イギリスとスイスの動物事情 第4回 イギリスとスイスを訪れて

今月の人気ランキング

PAGE TOP