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被災地に残された犬と猫

~東日本大震災、ちばわんの
 被災動物支援活動~

 第2回 被災動物の「預かりボランティア」 

    


 東日本大震災によって、被災し、家や家族を失った犬や猫たち。かれらを救うために、多くの動物愛護団体が今も活動を続けています。本連載では、その中の1つ「ちばわん」に注目し、被災動物支援の現場をご紹介しています。
 第1回では、震災発生直後の、被災地にいる「飼い主の方々」への物的支援についてお送りしました。続く今回は、飼い主と離ればなれになり、被災地に取り残されてしまった「犬や猫」の保護活動について、「ちばわん」代表の扇田さんにお話を伺います。

 

被災地の犬も、地元の犬も守りたい

――「ちばわん」さんでの、被災動物保護活動についてお聞かせください。
 まず前提として、「ちばわん」では、被災動物の受け入れはしませんでした。
※犬の「預かりボランティア」さんによる保護・飼養のこと

――それはなぜでしょうか。
 被災地の犬を「ちばわん」で引き取ることによって、千葉県の動物愛護センターに収容されている犬たちの受け入れがどうしても困難になってしまいます。そうなってしまったら、センターの犬たちに申し訳ない……という気持ちがあったんです。もちろん、できることなら被災地の動物たちも受け入れたかったのですが、センターの犬たちには、明確に「数日」という命の期限が差し迫っているので、かれらのことも無視するわけにはいきませんでした。
 そういう理由があって、積極的に被災動物の受け入れはできませんでした。その分、被災動物の保護・受け入れをしている方々を、「物資支援」というかたちで精いっぱい応援していこうと、当初はみなかみ町や被災地への支援を行っていたんです。

「預かりボランティア」という支援

――その中で、保護された犬猫を預かるボランティアさんと、動物との仲介を始めたいきさつを教えてください。
 「預かりボランティア」という手段でなら、「ちばわん」の基本方針を守りながらも、被災動物たちへの直接の支援ができると気づいたんです。
 「ちばわん」のこれまでの活動の中で、「預かりボランティア」さんと動物たちとの仲介に関するノウハウや、人脈ができています。それを活かせば、被災した動物と、「その子たちを迎え入れて、助けてあげたい」と考えている方とを結びつけるお手伝いができるのではないかと思いました。
 そこで、2011年4月半ばからは、物資支援に加えて、被災した動物を受け入れてくださる「預かりボランティア」さんの募集と、その仲介を始めることにしたんです。

――被災動物の「預かりボランティア」さんは、
普段の「ちばわん」さんの活動における「預かりボランティア」さんと、どのような点が異なるのですか。

 大きな違いは、「『終生飼育』がほぼ原則である」という点です。
 普段、「ちばわん」が動物愛護センターから保護してくる犬を受け入れる「預かりボランティア」さんに関しては、「一定期間だけ預かっていただく」ということもよくあります。ですが、被災動物の「預かりボランティア」さんに関しては、元のご家族が動物たちを再び受け入れられる状況でなければ、最期まで責任を持って預かっていただくお約束となっています。事実上、「新しい家族(いぬ親)になる」と言っても過言ではありません。なので、預かってもらっている犬たちは、普段千葉県の動物愛護センターから保護してきた犬たちのように、里親会に出席することもありません。
※「いぬ親」と「いぬ親会」について、詳しくはこちらもご覧ください

 あとは、さきほどもお話したように、「千葉県の動物愛護センターの犬たちも今までどおり保護し続ける」ということが、「ちばわん」が被災動物支援を行う上で守りたいことだったので、被災動物の「預かりボランティア」さんは、普段の「ちばわん」の「預かりボランティア」さんとは別枠として、新たに募集をしました。

――元のご家族が見つかった場合はどうするのですか。
 それには、2つのパターンがあります。
 1つ目は、元のご家族が見つかって、「避難生活が落ち着いたらペットを引き取りたい」とご希望された場合です。その場合は、ご家族の生活が安定するまでは、「預かりボランティア」さんのもとで引き続き預かっていただき、時期が来たら犬猫は元のご家族のもとへ帰っていきます。
 2つ目は、元のご家族が見つかっても、さまざまな事情で一緒に暮らしていくのが難しく、「新たな“犬生”を送ってほしい」と希望された場合です。そのときは、「預かりボランティア」さんは、引き取った犬を正式に家族の一員に迎えいれることになります。

 震災後、被災地に取り残されてしまったものの、その後無事に保護され、「預かりボランティア」さんが守り続けてくださったことで、一度は離ればなれになってしまった犬猫とそのご家族が再会できた例は多くあるそうです。「預かりボランティア」さんによって、大切な家族の一員をしっかり守っていてもらえるということは、不安や心配が多い避難生活の中で、安心感につながったのではないかと思います。

 次回は、被災地現地に残された動物たちの実情と、保護活動の現場についてお聞きします。

「ちばわん」 http://www.chibawan.net/

「届け!被災地の犬や猫たちへ!(ちばわん支援ブログ)」
http://wannyanaid.exblog.jp/


連載 『被災地に残された犬と猫 ~東日本大震災、ちばわんの被災動物支援活動~
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スペシャリスト

ちばわん代表 扇田桂代さん

動物愛護団体「ちばわん」(2002年設立)代表。1975年生まれ。

千葉県内の多頭飼育現場レスキューから、犬猫の保護活動に本格的に関わるようになる。現在関東全域に散らばるボランティアの協力の下、「殺処分ゼロ」を目指し主に千葉県動物愛護センターから引き出した犬猫の新しい飼い主を探す活動を続けている。

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